コンビニ業界拡大の功罪

最近、皆さんの周りにコンビニエンスストアが増えたと感じませんか。私の家の周りには、自転車で10分圏内にコンビニが8店舗ほどあります。急速な店舗増を肌で感じる私は、本日の新聞でこのような記事が気になりました。コンビニエンスストア業界3位のファミリーマートと、4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(GHD)は15日、2016年9月に経営統合することで基本合意したと発表しました。イオン、セブン&アイ・ホールディングスに次ぐ流通第三極が誕生することになります。ファミマの中山勇社長は「広く社会に受け入れられる新たな流通グループを作りたい」と意欲を語っています。

ファミマとサークルKが統合することで、統合提案から9年経ったとはいえ経営改革が行われ、コンビニの店舗数がさらに増加していくきっかけになるでしょう。これにより私たちの生活にどのような変化が起こるでしょうか。中山社長が言うように、我々の生活により密着した形での流通がさらに実現されていくことは確実です。しかしながら、経営改革は良いことばかり進めていくわけではありません。いわゆる不採算店舗は次々に閉鎖されていきます。現在ユニーは約230店の総合スーパーを運営していますが、不採算店舗の閉鎖については最大50店舗を軸に協議を続けている模様です。

ビジネスと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、スーパーは人々の生活に密着しているものです。スーパーが閉鎖された代わりにコンビニが増加して、人々の生活に関わっていけば良いのでしょうか。皆さんも分かると思いますが、スーパーとコンビニでは、私たちが立ち寄る用途が全く違います。現在、私たちは店舗に恵まれ、選ぶ機会を充分に得ているかもしれません。しかし、それはお店ありきのものであり、逆に開店や閉鎖に翻弄されているという見方もできるのではないでしょうか。拡大するコンビニ流通業界には、私たちの生活に密着しているという視点を忘れないでいてほしいものです。

 

参考記事:15日付日本経済新聞朝刊(東京13版)3面 ファミマ・ユニー統合発表

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