日本の科学教育の発展には

2015年のノーベル生理学・医学賞を、北里大特別栄誉教授の大村智教授が受賞されることになりました。大村氏は、抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもととなる物質を発見し、これをアフリカなどの途上国で失明を防ぐ薬の開発につなげました。記事では、大森氏がアフリカの子供たちと笑顔で写っている写真が掲載されていて、「人のための研究」という印象を強く感じました。

 

私の高校は理数科で、将来は研究者になりたいと話す同級生もいました。しかし、同時にその道はとても狭き門ということも事実です。せっかく子供の時から研究者に憧れていた友人も「研究者は不安定で、高学歴ワーキングプアとも言われているから」と話すなど、研究者の夢を諦め、安定した民間企業に就職しました。もしくは、大学に入る以前の、大学入試の段階で研究者の道を閉ざされた友人もいました。

 

朝日新聞の記事では、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸也さんらが電話座談会をし、「日本人の得意技」として日本の幅広く研究する基礎研究を評価しています。今後も「日本人の得意技」を生かすためには、学びの機会を常に作ることが必要だと考えます。学生としての学びという観点では、小、中、高校生の段階では、もっと科学や生物への興味を増やすような授業や活動を増やしたり、文系の大学生でも、理系の授業を取りやすくする制度を作ったりすることもできるのではないでしょうか。また、科学だけではなく、多岐にわたる興味や関心も大切で、予期していなかったところからの発見などもあるのだと考えます。

 

研究への熱心さだけではなく、絵の愛好家として美術館をつくって文化振興をするなど、科学と芸術と多岐にわたって人のための貢献をしている大村氏。絵画、彫刻、建築、科学、数学など幅広い分野で業績を残したレオナルド・ダ・ヴィンチを連想させました。

 

参考にした記事:

10月6日付 各紙関連面