書店の醍醐味

 読書が趣味で、月に2、3冊は読みます。暇さえあればいつも地元の小さな本屋まで歩いて行って気になるタイトルを探し、気に入った本は手に取って紙質を感じながら内容を拾い読み。その後に買って家でじっくり読む。それが私にとっての読書の醍醐味であり、日々の楽しみでもあります。ですが、ある時いつもの本屋に行ってみると、すでに閉店していました。突然の出来事にショックを受けたのは言うまでもありません。

 しかし、最近ではこういった出来事は珍しくないようです。今朝の記事に触発されて、インターネットを使って本屋の現状を調べてみました。すると日本著者販促センターのサイトに辿り着き、19992014年の書店数の推移をまとめた統計を見つけました。それによると、書店数が2万を超えていた1999年に対して、2014年には1万3千店まで減っています。記事にも書かれていましたが、オンライン書店への顧客の流出と人々の活字離れが街の書店を追い込んでいるそうです。

 こうした事態を踏まえ、TSUTAYAや紀伊国屋書店などの大手書店は新たな戦略としてSTARBUCKSの提携に動き出しました。店内を広くてゆったり出来る空間に造り変えるだけでなく売店を置き、そこで飲み物や食べ物を買ったお客さんが、くつろぎながら本を読む環境を充実させるなどの新しい戦略を立てています。

 情報化社会が急速に進み、書店業界にとって集客率を維持するのに必死の現在。地方文化を維持するためだけではなく、私も含めて「紙の本」をまだまだ読みたいという人々のためにも、何とか頑張って生き残って欲しいものです。

10月5日付 読売新聞朝刊12版 投書8面「本との出会い 書店の楽しみ」

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