ビニール傘廃棄 投書から考える

23日の読売新聞朝刊の読者欄の、1つの投書が目に留まりました。送り主は福岡市の男性。「ビニール傘 もったいない」というタイトルで、日本で年間約8000万本のビニール傘が消費されていること、忘れ物として大量に放棄されていることに触れたうえで、消費を減らすために、折りたたみ傘を積極的に用いるべきだと提言しています。

私のアルバイト先の予備校でも、ビニール傘の置き忘れは続出しています。そのため、1か月前、生徒の保護者宛てに、傘に記名するように通知しました。その効果もあってか、最近になって忘れ物は少なくなりました。

ただ、それはあくまでも、私にとっての手近な解決法。安く手軽に購入できるビニール傘に名前を書き込むのに抵抗がある人は少なくないと思います。ビニール傘の無駄遣いを減らすうえで、折りたたみ傘以外に何か解決法はないのか調べてみました。

たどり着いたのは、回収してバッグや帽子などのファッションアイテムとして生まれ変わらせるというもの。駅や商業施設などで廃棄されるはずのビニール傘を回収し、ビニールの部分を取り外し洗浄したうえで、4枚から6枚のビニールを重ねて圧着して生地として用います。生地に使わない骨組みも捨てずに、別の業者に持ち込み、再利用するそうです。

このリサイクルを手がける会社によれば、これまで生まれ変わったビニール傘は約6000本にのぼるといいます。会社の代表の方は「廃棄問題について考えるきっかけになれば」とする一方で、「10年後にはなくなるアイテムを目指したい」としています。

投書は、日本人の「モッタイナイ」精神を傘でも発揮してほしいと締められていました。ビニール傘が年間8000万本消費されていることから、私たちは目をそむけるべきではありません。現実として受け止めたうえで、使い捨ての時代から脱却する時期に入っていると思います。

参考記事

23日付 読売新聞朝刊(東京12版)10面(教育・投書)「ビニール傘 もったいない」

9日付  朝日新聞夕刊(東京4版)11面(社会)「ビニール傘、捨てずに変身 ゴールは「10年後になくなるブランド」」