コロナ その対策本当に必要?

「自分の番が終わったら、毎回人形をアルコール消毒してください」

先日、自動車学校で救命講習を受けたときのこと。人形を使って胸骨圧迫の練習をする際に、自分の番が終わる都度、アルコールを含んだ脱脂綿で人形の胴体を拭くように指示されました。新型コロナウイルス対策のためです。一つの人形を一緒に使うのは3人。一人4~5回の練習を行い、その度に消毒をしました。実習の合間、マスクを外すことはありません。

言われた通りに手を動かしながら、内心ずっと疑問を持っていました。果たしてこの行動にどれだけの効果を期待できるのだろうか。

手の汗でウイルスが広がるわけではありません。感染経路として厚生労働省が公表している「接触感染」とは、感染者の飛沫などによってウイルスが手に付き、その手で目や鼻、口などを触ることによって粘膜から感染することをいいます。手でウイルスに触れたとしても、ただちに感染する可能性は極めて低いです。

練習前と後に手洗いをしっかりすれば感染リスクは大幅に下げることができるはずですから、「アルコールで毎度除菌する」という行動は、無駄な資源、労力、時間を使っていることのように思えました。

ほかにも、無駄になってしまうのでは、と思うことがあります。例えば多くの人が利用する洗面所での「うがい」の推奨。よく「手洗いうがい」とセットで言われ、耳に馴染んでいますが、うがいによるウイルス侵入の抑止効果ははっきりしておらず、国が推奨する対策に入っていません。たしかな効果が期待できないうえ、うがいをすることでかえって飛沫が飛び散り、皆が使用する蛇口などにウイルスが付着してしまう危険性もはらみます。利害とのバランスが検討されているのか、気になるところです。

「効果がある」と誰かが紹介した対策であっても、「やればやるほど良い」わけではありません。身の回りにあるかもしれないウイルスを過剰に怖がってびくびくするのは精神衛生上良くありませんし、無駄なことよりも高い効果が期待されることに労力をかけた方が良いのは当然です。

目や口、鼻を触らない、睡眠時間や栄養をしっかりとって免疫力を高めるなど、基本に立ち返って、効果のあることを着実にこなしていくことが、コロナ収束に向けた近道なのではないでしょうか。

 

参考記事:

10日付 朝日、読売、日本経済新聞 新型コロナウイルス関連記事

参考資料:

厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A