ミモザが伝えたい「平等」とは?

明日3月8日の国際女性デーに向けて、ある取り組みを続けているお店があります。東京郊外の国立駅から徒歩6分、イタリアトスカーナ地方の食品・雑貨のお店「ストラーダ・ビアンカ」では、2~9日まで来客者全員にミモザのミニブーケを配っています。店長の山田亮子さんにお話を伺いました。

ストラーダ・ビアンカ、店頭ではミモザがお出迎え(6日筆者撮影)

山田さんが取り組みを始めたきっかけは、ご自身がイタリアのフィレンツェに滞在していたときの体験です。イタリアでは、3月8日を「ミモザの日(女性の日)」とし、女性への感謝の印としてミモザの花を贈る風習があります。街がふわふわとした黄色いミモザの花で溢れる日。その光景が印象深く、帰国後、家にミモザの苗木を植えたそうです。

男性客にも「奥さん、娘さんにどうぞ」とアドバイス(6日筆者撮影)

2012年の開店から数年は花が咲かなかったものの、大木になり花を咲かせてからは毎年ブーケをプレゼントしているとのこと。

「お花をプレゼントすると、皆さんに笑顔になってもらえる」

今年も山田さん宅では、そろそろミモザが満開に。毎日1つ1つ丁寧にブーケに作り変えます。「いくつ作ったのかもう覚えていません」と笑います。

最初は「なぜミモザか」を説明することが大変でしたが、年々認知度は上がっていると言います。それでもなお気を付けていることが。

「国際女性デーはもともと女性が権利を勝ち取ったことが起源。ミモザの日として捉えられがちなので、きちんと国際女性デーについて説明してからお渡しするようにしている」

 

性別に関係なく自分らしく生きられる社会を目指す意識自体は高まりつつあると感じます。しかしまだまだ道半ば。

内閣府男女共同参画局広報誌『共同参画』令和2年3・4月号より

経済、政治、教育、健康の4つの分野で男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(GGI)があります。0が完全不平等、1が完全平等を表します。日本は0.652で、153か国中121位という惨憺たる結果です(世界経済フォーラム,2019年12月)。1位のアイスランドは0.877とその差は一目瞭然。この結果に安穏としているわけにはいきません。

頂いたブーケ。生け花でも、ドライフラワーでも楽しめます(7日筆者撮影)

ブーケを持って歩いていると、すれ違った親子が「綺麗なお花だね」、「誰に渡すのかな」と会話しているのが聞こえました。ミモザの美しさが、誰もが生きやすい社会のシンボルとして広まりますように。国際女性デーという名ではありますが、男女問わず人間としての平等について考え続ける必要があります。

 

参考記事:

7日付朝日新聞朝刊(東京13版s)7面「男女平等ランキング1位 アイスランドの歩みと教訓は」、関連9、28面

同日付日本経済新聞(東京12版)1面「性別・顔写真求めず 三菱ケミ新卒採用、多様性を重視」

5日付読売新聞朝刊(東京12s)14面「若い女性の団体存在感」

参考資料:

内閣府男女共同参画局広報誌『共同参画』令和2年3・4月号