「ブラック校則」はいらない

学校から、地毛証明書の提出を求められた。

そう話す彼女の髪は、綺麗な明るい茶色です。高校では、髪の毛を染めることが禁止されていたため、地毛証明書が必要だったといいます。大学1年の春。校則の厳しさをはじめて実感しました。

筆者が卒業した学校に、校則はありませんでした。私服登校、髪の染色、ピアス、メイク…。いずれも禁じられていません。母校は、自他ともに認める自由な学校でした。

校則がないと風紀が乱れる。そのような声は、少なくありません。しかし、身だしなみに関しては、もう少し柔軟に対応できないものか。「ブラック校則」の記事を読むたびに思います。

たしかに、見た目だけで判断すると、ばらばらで「規律」が整っているとは言えませんでした。茶髪に金髪。夏はサンダル、冬はブーツが並ぶ靴箱。毎日学年カラーのピンクに身を包み登校する先輩もいるなど、様々な恰好の生徒がいました。ですが、服装の違いにより学業に差し障りがあるわけでも、いじめが誘発されるわけでもありません。風紀が乱れていると感じたことは1度もありませんでした。

そもそも身だしなみに関するルールは、本当に機能しているのでしょうか。例えば、スカート丈。膝下までとよく耳にしますが、街では膝上20センチで履く学生を多く見かけます。事実、友人は、学校外では短くしていたそうです。校内に限って守られる校則に果たして意味はあるのでしょうか。教室で生徒が皆、下着から髪型まで同じにすれば、「風紀」は保たれ問題はないのでしょうか。

19日の読売新聞西部本社版には「教員ですら理解できない校則を放置する雰囲気がある」との声が取り上げられています。厳しすぎるルールにより、服装検査に時間を費やすことは教師側にとっても負担になっているはずです。「ブラック校則」問題が可視化された今、必要以上に厳しい校則が淘汰されることを願います。

参考記事

21日 読売新聞朝刊(西部)31面(社会)「『ブラック校則待った』 弁護士会 見直し提言」

17日 読売新聞朝刊(大阪)33面(社会)「黒染め指導『違法性ない』 大阪地裁判決 校則 裁量の範囲内」