Clubhouse流行の背景には「焦燥感」あり?

音声SNSClubhouse(クラブハウス)」が日本を席巻している。1月末から盛り上がりを見せ、利用者が急増。130日に実施した調査では、知っていると答えた割合が19%だったのに対して、1週間後の調査では52%に上昇した。「Clubhouse」に対する、注目度の高さが伺える。

Clubhouse」の特徴は2点に集約される。1つは、文字や写真ではなく、音声のみでコミュニケーションをとる点。そして、もう一つが招待制がある点だ。「Clubhouse」に参加するためには、既存ユーザーからの招待が必須であり、招待されない限りは参加できない。さらに、1人が持つ招待枠はたったの2枠しかなく、参加するためのハードルが極めて高い。音声のみのSNSという新しさもさることながら、招待制こそが流行の要因であると私は考える。

招待制があることにより、招待された人と招待されない人に二分される。招待された人は流行に乗れたと優越感を得られる。一時期、SNS上では、招待された旨を報告する投稿が相次いだ。これは「私は招待された」という優越感の現れと言っていいだろう。

一方、招待されない人は流行に乗れていないと焦燥感を感じる。メルカリでの招待枠の高額な取引は、彼らの焦燥感が歪な形で可視化された現象と見ていい。

この現象は極端な事例だ。しかし、焦燥感が動機となり始めた人は多いのではないだろうか。かくいう私も招待が来るのを今か今かと待っていたのを思い出す。

Clubhouse」に対する関心というよりは、招待されていないという焦燥感がブームの要因というわけだ。その為、招待されていない人の焦燥感が解消されれば、流行はあっという間に去っていくだろう。

参考記事:

20日付日本経済新聞朝刊7面(12版)「クラブハウス 人気に一服感」

参考資料:

「話題の音声SNS   「Clubhouse」、5割以上が認知。1週間で認知率が2.7倍に」

https://research-platform.line.me/archives/37143102.html