海外での活躍には「ある能力」が必要?

強豪レアル・マドリードに所属する久保建英選手(19)が、同リーグのビリャレアルへ1年間の期限付きで移籍することに決まりました。小さい頃からスペインでプレーし、数々の実績を残しました。彼の活躍は能力の高さに加えて、「語学力」が大きく影響していると思います。

<海外で活躍する選手の共通点?>

海外で活躍した選手の多くは、「外国語を流暢に話せる」という共通点に気付きました。例えば、本田圭佑選手はACミランの入団会見で、外国人記者と英語でやり取りする姿を披露しました。「ヒデ」の愛称で有名な中田英寿選手は、イタリア語、英語、スペイン語など、計6カ国語で簡単な会話ができるそうです。イタリア語に関しては、将来を考えて高校生から勉強していました。他の選手も、現地の言葉は話せるようです。

<なぜ会話が大切なのか>

筆者は部活動や習い事で、多くのスポーツを経験してきました。「会話」に焦点を当てると、サッカーが一番多かった記憶があります。特に、「試合中での戦術変更」に関しては、上手くいかないことが多々ありました。監督からキャプテンへ、キャプテンからフィールドの選手全員へ、と伝達はかなり難しいものです。短い時間で共有することは、日本語でもなかなか出来ません。次期代表監督に「日本人であること」を優先させたのも、このような理由があったからかもしれません。

<若手の海外挑戦>

若い選手が移籍してダメになったケースを何度も見てきました。自信に満ち溢れたプレーは影を潜め、ベンチを温める光景は心が痛くなります。ケガや監督交代など、予期せぬ事態で国内に帰ってくる選手がいます。しかし、現地の言語を学習せずに飛び込むのは、明らかに準備不足だと思います。クラブ側も本人の意思ばかり尊重せず、語学力にも目を向けてほしいです。

約10年前と比べて、海外移籍は一般的になりました。2010年南アフリカワールドカップの選抜メンバーで、23人中4人が海外クラブに所属していました。しかし、2018年ロシアワールドカップでは、23人中15人と約4倍に増えています。日本人プレーヤーが注目されているからこそ、最低1カ国語の習得を義務付ける必要があると思います。

参考記事:

11日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)15面「久保、ビリャレアルへ」