社会全体で子どもをサポートする第一歩

文部科学省は忙しさに追われている小中高の教員が教育に専念できるよう、事務職員や専門スタッフを活用する「チーム学校」の体制整備を進めています。教職員や様々な専門スタッフが役割を分担することで、教員が授業など子どもの指導に打ち込めると評価する意見が聞かれます。

教育実習で現場を体験した先輩に話をきくことで、先生という職業が果たしている実際の仕事ぶりを知りました。自分が生徒だった頃には気がつかなかったことばかりです。授業をすること以外に、生徒指導、進路指導、PTAの対応、事務的な仕事…。本当に忙しい!そのなかで子どものいじめ問題、不登校、貧困など学校が抱える課題に取り組まなくてはなりません。

とかく、いじめによる自殺や暴力事件に対して「学校の指導が悪い」「同じような事件を繰り返さないように学校がしっかりしなくては」と耳にするものです。確かにそういったケースも多いかもしれません。でも、人の気持ちを理解する面で、すべての教師が必ずしも専門的な訓練を受け、知識を持っているわけでもありません。教師がどこまで生徒を理解すべきか。その範囲が広がりすぎていて、教師だけでは解決できない状況になっているのではと懸念しています。やはりチームで解決せざるを得ません。

不登校問題で考えてみましょう。

文部科学省の調査によると、13年度、小中学校で30日以上欠席している子どもは約12万人と6年ぶりに増えました。朝日新聞の連載『いま子どもたちは』では、不登校やひきこもりで学業を中断した後、学び直しを決意した人たちを紹介しています。記事にもNPO団体が登場しています。地域には居場所づくりに取り組む組織があったりもします。一方、「チーム学校」ではスクールソーシャルワーカーの配置拡充を予定です。NPO団体などさまざまなネットワークを知っていれば、必要に応じて学校以外のつながりも深められます。効果的な対応が期待できるでしょう。チーム学校にとどまらず、地域全体で取り組むのが理想です。

現在、居場所づくり、無料学習支援など地域で子どもを見守る準備は、NPO団体を中心に整えられつつあります。しかし、これからはただ学校以外の組織が取り組むだけではなく、学校と社会がスクールソーシャルワーカーを通じて今まで以上に連携することができるでしょう。学校の体制が整うことを通じ、社会が一丸になりすべての子どもに居場所を提供する第一歩を踏み出すことを期待します。

参考記事:

6月13日付 日本経済新聞(東京4版)夕刊8面「多忙な教員 職員が支援」

6月11日付〜6月14日付 朝日新聞(東京13版)連載 「いま子どもたちは 学び直し」