水害ボランティアとコロナで、ジレンマ。

コロナ禍で、ボランティアに行きたいけれど、行くことができない―そんなジレンマに陥っている人は多いのではないでしょうか。

筆者もその一人です。

昨年末のこと。昨年10月の台風19号で被害にあった宮城県丸森町でボランティアをしました。側溝の泥かき、床下に潜り込んで泥を払う作業です。浸水被害にあったときには、家財を運び出し、泥をかきだし、乾かして、消毒をしなければなりません。時間と人手が必要だと知っている分、今回の広範囲に及ぶ九州の豪雨報道を見るたびに、私にできることはないかと考えています。

 

建物横の側溝に溜まった土砂を書きだす作業をする筆者(左)、2019年12月27日、筆者友人撮影。

床下に潜り込んで、泥を落とす学生、2019年12月27日筆者友人撮影。

 

今朝の朝日新聞によると、現在熊本県芦北町では、新型コロナウイルスへの感染リスクを抑えるため、県内在住者に限って募集しているそうです。

コロナ禍では、ボランティアの担い手をどう集めるか、課題になっています。

もし、県外の人も現地入りすることができるようになったら、気を付けるべきことは何か。丸森町でお世話になったボランティア団体「OPENJAPAN」の手代千賀(てしろ・ちか)さん(28)に電話取材をしました。

まずは、コロナ対策についてです。作業するからと言って、特別な対策はありません。手洗い、うがいの徹底。人ごみに行かない。アルコール消毒をする、に尽きるそうです。

また、これからの季節は気温が上昇するため、熱中症対策も欠かせません。私も丸森町での経験がありますが、一度作業を始めると、つい視野が狭くなり、頑張りすぎてしまいます。被災者の人を悲しませないためにも、体調を崩してはなりません。こまめに水分をとったり、休憩をしたりすることが大切です。

手代さんには、今懸念していることについても伺いました。「コロナ感染対策で現地に入ることができる人が減るのに加え、九州の広い範囲での被害で、人手が分散してしまう可能性がある。ふたを開けてみないとわからないけれど」とおっしゃっていました。

現地に入る前には、自治体のホームページやSNSで状況を把握し、人手が足りていないところでお手伝いをしたいと思いました。

最後に、今私にできる支援についても、考えてみました。物資を送ることももちろん大切ですが、お金を送る方がいいと考えています。

丸森町で作業をしているときに、現地のニーズに合わせて、タイムリーに物資を届けるのは難しいと聞いたことがあるからです。例えば、被災地の自治体が、衣類が足りないから支援してほしいとSNSで呼びかけると、全国各地から衣類が大量に送られてきて、仕分けなどに人手を割かなければならなくなったり、使えないほどの量が集まったりしてしまう場合があったと言っていました。

熊本県人吉市は7日から災害義援金の受付を開始しています。市のホームページをチェックし、支援したいと思います。

情報を集め、できることはしていきたいと思いますし、今後ボランティアとして現地入りすることが可能になったときには、現地に行って微力ながらも、力になりたいと思っています。

参考記事:

9日付け 朝日新聞朝刊(14版)31面(社会)「泥まみれ あふれるごみ コロナ懸念 ボランティア県内のみ」