それはほんとに必要な規制ですか?

 7月1日より営業が再開される東京ディズニーリゾート。待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか。チケットは当面の間、「日時指定・事前購入のみ」でしたが、予約・購入サイトは、発表当日、まだチケット販売が開始されていないのにもかかわらずサーバーがダウンしてしまうほどの反響でした。ディズニーが大好きな私も販売開始当日は数時間パソコンと格闘した末、あきらめてしまいました。

 アトラクションの面白さだけでなくその世界観も魅力のうちの一つですが、そんなディズニーランドの大人気アトラクションのうひとつ「スプラッシュ・マウテン」が変わろうとしています。

アメリカのカリフォルニア州とフロリダ州にあるテーマパークの「スプラッシュ・マウンテン」で黒人の描写が不適切であると批判され、新しい題材を用いることを決定したためです。

そもそも何が問題なのでしょうか。

スプラッシュ・マウンテンは、「南部の唄」というディズニー映画がもとになっています。実写とアニメーションを組み合わせた作品は、白人の少年ジョニーと農場で働く黒人のリーマスおじさんとの交流が描かれた、愉快でほのぼのとしたストーリーですが、「作品内で対等のように白人と黒人が交流している。当時のアメリカではそのようなことはありえないことであり、誤った歴史認識を招く恐れがある」と以前から批判の声がありました。

先月、黒人男性が白人警察に首を圧迫されて亡くなるいたましい事件があり、「人種差別」を講義するデモが全米で広まったのを機に批判が殺到。今回、「南部の唄」に変わり、ディズニー史上初といわれる、黒人をプリンセスとした「プリンセスと魔法のキス」という映画に変更することが決まりました。

この事件は、様々なサービスや商品を見直すきっかけになり、人種差別を描写した映画を配信停止にする処置などがとられました。しかし、これを「今の時代の価値観にそぐわないから」という理由でなくしてしまうのはいかがなものでしょうか。確かに、人種差別はあってはなりません。差別をなくす第一歩は「差別を差別と認識すること」から始まると思います。

しかし、こうした行動は黒人を触ることをタブーとする「ハレモノ」扱いにしてしまわないでしょうか。また、ゼロか百かという物差しで物事を考え、タブーが増えてしまう危険もあります。結果として、表現の幅が狭まってしまったり、キレイゴトだけの面白みのない映画が増えてしまったりすることを懸念します。そして、なにより「歌が好き」「作品の世界観が好き」など様々な楽しみ方があるなかで、こうした意見を無視してしまうことになってしまうでしょう。差別は、容易に根絶できない難問であればこそ、「臭いものに蓋」とせず、これからもしっかりと考えていきたいものです。

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