アプリで感染拡大対策?実用性はいかに!

新型コロナウイルス感染者との濃厚接触を検知するスマホ向けアプリが、週内にも日本で導入されます。しかし、政府の開発方針の迷走により、配布予定が一か月以上遅れました。運用面での課題が多いことが問題視されています。

<そもそもどんなアプリ?>

スマホの「Bluetooth」で感染者との接触を検知。利用者同士が1メートル以内に15分以上いた場合に接触データが記録され、感染者が出ると過去14日間を遡って通知します。位置情報、名前、電話番号などの個人情報は記録されません。また、政府は直接管理せず、利用者同士で通知される仕様です。(詳細は新型コロナウイルス感染症対策テックチームの「接触確認アプリ及び関連システム仕様書」をご覧下さい。)

<問題点>

イギリスのオックスフォード大学は「人口の6割近く普及し、濃厚接触者を早期に確認できれば大きな効果がある」と指摘します。しかし、スマホ向けのアプリなので、ガラケーなどは対象外。総務省による令和元年度の調査で、スマホの保有状況(個人)はモバイル端末保有者全体の64.7%という結果になりました。単純計算で、ほぼ全員が利用しないと、十分な効果は得られないことになります。

総務省令和元年度のデータ/スクリーンショットで撮影

「普及率6割」は対話アプリのLINEに匹敵する高さです。シンガポールでは3月に配布したものの、プライバシー侵害の懸念を拭えず、わずか3割に留まっています。
通知の実効性も問題視されています。接触を知らせても、検査や自宅待機につながらなければ感染は防げません。自主的な行動を後押しする仕組みが必要です。

<個人的な見解>

アプリを普及させるのに必要なことは「実績」だと思います。例えば、東京23区に在住、または区内の企業に勤務する人などの基準を設けて、該当者に義務としてインストールさせる。結果で示せば、自然と普及率は上がるのではないでしょうか。運用面での課題は山積みですが、機能自体は素晴らしいと思います。「もしかしたら自分は感染しているかもしれない」という自覚意識の向上により、日々の行動が変化します。第2波、第3波が懸念されるなか、アプリで感染拡大を抑止できるのでしょうか。これからに注目です。

参考記事:

16日付 日本経済新聞朝刊(大阪13版)3面「出遅れた接触アプリ」