入管爆破予告にひとこと

 

今朝の読売新聞朝刊にハッとする記事がありました。27面に掲載された「入管に爆破予告 きょう業務中止」です。

 

出入国在留管理庁は11日、東京出入国在留管理局(東京都港区)に爆破予告があったとして、12日の窓口業務を中止すると発表した。発表によると、10日午前、同局のメールアドレスに「6月12日午後3時半に施設内で爆発を起こす。失敗した場合は刃物で職員に危害を加える」「入管が外国人を虐待している」といった内容のメールが届いた。11日夕までに、爆発物などは発見されていないという。警視庁によると、このメールには同庁渋谷署も爆発すると書かれていた。同署が警戒を強化している。 (全文)

 

広告の上にぽつんと掲載されたその記事は分量も少なく、それほど大きくなかったのですが、強いインパクトがありました。Twitterで検索してみると、同局アカウントで、来庁をしないよう呼び掛けているツイートも見受けられました。日本人だけでなく、外国人も頻繁に利用する施設なので、続けて英語や中国語表記も。何かあってからでは遅いので事前に出来る限りの対策をしているようです。

 

6月12日15時41分、スクリーンショット。筆者撮影。

 

筆者はこの記事を読み、疑問に思うことがあります。それは脅迫メールを発信した人の真意です。メールの内容を見ると「外国人を虐待している」と外国人差別に憤りを覚えているようですが、ならば職員に刃物を向けていいのでしょうか。発信者の国籍や家庭背景がわからないので、しっかりとしたことはいえませんが、たとえ虐待があったとしても建物を爆破していい理由にはなりません。

それに虐待をしているという事実があるのなら、相応の処分は受けるべきですが、それは発信者がするべきことではありません。何か思うことがあるのであれば、収容所の実情を周知していくなど他のやり方をとるべきです。建物の中で働く職員の方々にも大切な家庭があって、守りたいものがある。国籍云々のまえに、まず同じ人間だということを忘れないでほしいと切実に思います。

これは入管の話にとどまりません。海外でも同じようなことが起きています。アメリカで黒人男性が死亡したことをきっかけに一部で過激になっているデモ活動です。人種差別をなくすという最初の目標から少しずつずれていき、いまではただ日々のうっ憤を晴らすだけの状況です。

何を抗議するにも守らなければならないルールは守る。相手がしているから自分もいいだろうと同じ方法で(或いはそれ以上のやり方で)仕返しをするでは幼い子供でしかありません。

発信者には今一度、自らのメールについて、それが正しかったのかどうか考え直してほしいものです。

 

参考記事:

6月12日読売新聞朝刊(東京13 S)社会面「入管に爆破予告 きょう業務中止」