オンライン授業 問われる学生のPCスキル

各地の学校や教育委員会がオンライン授業に対応するための準備に奔走しています。大学は授業視聴用のタブレット端末や大容量のWi-Fiルーターを必要な学生に支給するなどの対策を取りました。しかし、大学側が環境を整えたにも関わらず、オンライン授業への不満の声は後を絶ちません。愚痴をこぼす同級生や新1年生に話を聞くと、PCの扱いに慣れておらずストレスを溜め込んでいることが要因の一つだと分かりました。

(オンライン授業の様子:朝日新聞デジタルより引用)

 

まず、WordやExcel、Powerpointを使えこなせていません。余白や行数、フォントの調整、関数機能などに苦戦している人がいます。大学生は余裕で使いこなせて当たり前だと思われがちですが、無理もありません。中高で習う機会は限られています。私の場合は高1と大1のときに週1回情報の授業があるのみでした。与えられた課題を指示通りに作って提出していましたが、授業だけで様々な機能を覚えるのは不可能でした。

キーボードのタイピングが遅いことも大きな課題です。今の大学生は10代になったばかりの頃、スマホが普及した世代です。EメールもSNSも全てスマホでやり取りするので、幸か不幸かPCを触らずに生きてこられてしまった人が一定数います。キーボードに日頃から触れていなければ、ブラインドタッチの習得は不可能です。スマホでは作業効率が著しく低下します。

メールの書き方を知らない人もいます。先日、1年生が教授宛てに送ろうとした質問メールの文面を見ましたが、宛名と自分の署名がありませんでした。普段チャットばかり使っているためでしょう。冒頭に「お疲れ様です」と記すのにも不自然さを感じました。「いつもお世話になっております」「初めて連絡させていただきます」などが定番のフレーズですが、確かに学校で教わる機会はありません。

このように授業のオンライン化によって、学生の基礎的なコンピュータリテラシー欠如という課題が露呈しています。勉強の出来不出来や文系理系を問わず、十分に使いこなせない人が一定数います。日本の教育制度の大きな問題です。

中高の課程で、Word文書による課題提出やPowerpointを用いたプレゼン発表の機会を増やすなどの工夫が今後必要だと思います。将来使うかどうか分からないプログラミング教育に時間を割くよりも、MS Officeの使い方を習得させる方がはるかに実用的で重要ではないでしょうか。

もちろん、限られた授業時間だけでPCスキルを身につけるのは不可能です。私の場合は部活動の資料を作成したり、大会の記録を集計する作業でMS Officeを頻繁に使いました。委員会の渉外活動を通じて、メールの書き方を学びました。また、SNSやネット掲示板に毎日アクセスして何万回も文章を打ち込んだ結果、タイピングが速くなりました。

このコロナ禍を機に、中高生はPCとその基本的なソフトを頻繁に使うよう意識すべきです。今や中古品なら1万円前後、新品でも2万円から購入できます。値段が高いから買えない、面倒だから使わない、などと言い訳ばかりしていれば、学校の授業どころかデジタル化が加速する現代社会に一生ついていけなくなります。

 

参考記事:

9日付 朝日新聞朝刊(大阪13版)7面「学校PC特需」

 

参考資料:

朝日新聞デジタル「『チャンスなのに…』公立のオンライン授業、普及への壁」

https://www.asahi.com/articles/ASN55632QN4FUTIL042.html