文部科学省の調査によると、全国の大学と高専の85.8%が「授業開始の延期を決定・検討」しており、11.2%が「開始時期は例年通りだが 遠隔授業を実施・検討」しているそうだ。
私が属している大学も、「春学期の授業を原則ネット配信(双方向オンライン型の授業、動画配信、資料配信など)で実施」が決定し、例年通りの授業を進めることができない旨が伝えられた。
そのような中、学生の間でじわじわと広がりを見せつつある動きがある。「学費減額運動」だ。
5月中頃までは図書館を含む大学施設が利用できず、授業もまともに受けられない。しかも、春学期は全てオンライン授業。それなのに学費は変わらない。そのような大学側の対応に対して、少しずつではあるが、学生側から異議申し立ての動きが出ているのだ。
SNS上でも、「学費減額してくれないの?」、「学費減額してほしい」との訴えが目立つようになり、大学に決断を求めるオンライン署名活動も始まっている。
学生の一人として、私も学費減額には大賛成である。対応に追われている職員の皆さんのことを考えると気が引ける。しかし、学費は授業を受けること、施設を利用することに対して支払われているはずである。それがどのような理由であれ、十分に履行されないのであれば、学生側が異議を申し立てるのは当然である。
仮に大学側がこの状況下でも、学費相応の授業、施設を提供できているのであれば、満額の学費を払っていい。しかし、昨今の新型コロナウイルス情勢や初期の大学の対応を見る限り、それは不可能であろう。
さらに、コロナ禍の影響で、アルバイトをしたくてもできない学生が増加した。彼らの中には、学費をアルバイト代で補っていた人もいたはずである。そんな彼らの苦境にも大学側は考慮すべきではないだろうか。
何度も言うように、大学職員が寝る間も惜しんで対応に追われていることは百も承知であるし、少しでも質を落とさず授業をするにはどうすればいいか考えに考えていることもわかっている。
しかし、現状で大学側が何の説明もなく学費の満額納入が求めてくるのであれば、それは道理に反している。
このような緊急事態だからこそ、学生の声に耳を傾けて!
参考記事:
朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞 各紙朝刊 新型コロナウイルス関連記事
参考資料:
文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策に関する大学等の対応状況について」
https://www.mext.go.jp/content/20200413-mxt_kouhou01-000004520_2.pdf