行かなあかんで、大阪市民

冒頭より東京人の下手な似非関西弁ですが、ご容赦下さい。今回は大阪にお住いの方、特に大阪市にお住いの方には見飽きたテーマかもしれません。熱心に考えている方もいらっしゃるでしょうし、やっと統一地方選が終わったのに、またうるさい選挙かとお思いの方もいらっしゃるでしょう。どちらにしても今日で終わりですから、少しこのテーマについて考えてみませんか。ということで今日は大阪都構想について考えていきたいと思います。

大阪市を廃止し、5つの特別区を新設するいわゆる大阪都構想の住民投票は、今日が投開票日です。賛成多数であれば2年後の4月以降、大阪市はなくなり、5特別区に移行します。大阪維新の会は、教育や子育てなど身近なサービスは特別区、大規模なインフラ開発などは大阪府がそれぞれ担当し、大阪市と大阪府の二重行政の解消を目指すと主張しています。また、選挙で区長や区議も選出します。賛成多数となれば、橋下市長と距離の近い安倍首相や菅官房長官との連携が強まり、都構想に必要な法整備に協力する一方、橋下氏が憲法改正に協力するとみられ、この住民投票は大阪市だけでなく、その結果が全国に波及するものと考えられています。

筆者のように東京に住んでいる人間にとって、大阪都構想はあまりピンとこない「何してんねん、大阪市民?」というのが本音です。不勉強ということもありますが、それでいいのだと開き直っている自分もいます。なぜなら、大阪のことは大阪で決めればいい、「うちはうち、よそはよそ」だと考えているからです。今回の住民投票はあくまで大阪市の今後を決めるもの、都民が口をはさむ余地はないと考えています。今後の国政との関係もありますが、間接的な議論をいくら行っても仕方がないでしょう。関係ない地域の人間は静観するのが得策なのではないでしょうか。

関係ない地域の人間の目線で書いて参りましたが、あくまで静観すべきなのは関係ない地域の人間です。有権者である大阪市民は投票権を行使すべきだと考えています。うちのことを決めるのにうちの人間の多くが関わらない、一部の人間だけで決めてしまうことはおかしいと感じるのは筆者だけではないでしょう。外野はものを言うことができても、決定権はありません。よその人間としてこの住民投票に注目しているからこそ、うちの人間である大阪市民の方には投票してほしいと考えています。昨年9月のスコットランドの独立をめぐる住民投票では投票率が8割を超えました。自分たちの暮らし地域の将来は自分たちで決めるという意識の表れでしょう。統一地方選の投票率でもわかるように、関心が薄れつつある地方政治ですが、大阪市民から地元を思うそれぐらいの気概を是非見せていただけたら、日本の地方政治もまだまだ力があるという証明にもなるとも考えられます。また、結果はともかく、投票は大阪市民が地元のことを本気で考えていることを為政者にアピールするチャンスです。結果も大事ですが、筆者にとって楽しみなのは賛否よりも投票率を通じ、どれだけの方が地元のことを考えているかを市長に届けることです。

大阪市のみなさん、選挙行ってや。

参考記事:17日付各紙朝刊関連面