日本の「ストレス社会」 どう変わる?

大学1年の頃、タイの学生と交流する機会がありました。彼らに向けてのプレゼンテーションで、働く日本人の自殺者の話をしました。「タイではストレスで自殺なんてありえない!」と、彼らは非常に驚いた様子でした。厚生労働省によると、平成25年の自殺者数のうち勤務問題が原因の一つであるものは、実に27,000人以上にのぼります。日本は言わずと知れた「ストレス社会」ですが、いま従業員のストレス診断を義務化する動きがあるようです。

今朝の読売新聞によると、従業員の心理的な負担を調べる「ストレスチェック」の実施が今年12月から、従業員50人以上の事業所に義務づけられます。厚労省によれば、「国で義務づけたのは世界でも例がない」。企業が従業員の健康管理に責任を持つという日本独特の考えも背景にあるようです。

メンタルヘルス対策に力を入れる企業では、すでにストレスチェックを導入しているケースもあります。57項目の質問からなる「職業性ストレス簡易調査票」を使っての検査です。厚労省が使用を勧めており、抑うつなど心の状態、食欲や睡眠の状態、仕事の量や周囲の支えの有無などを聞きます。その結果は、本人の同意なしに会社には知らされません。チェックが終わり、「高ストレス者に該当します」という判定が出た従業員は、医師の面接指導を受けるよう勧められます。

すでにこの仕組みを導入し、心の不調による休職者が半減したという企業もあります。一方、情報管理に不安を抱く従業員がいることも事実で、企業側も情報漏れを防ぐ努力が必要になるでしょう。診断をする際にかかる費用も、企業側が捻出しなければならないという点もあります。

この記事は、働いていない大学生にとっては無関係でしょうか。私はそうは思いません。「働くために生きる」ではなく、「生きるために働きたい」と思うからです。企業が従業員とどのように向き合っているかは、就活生も気になる点でしょう。

 

この投稿を読んでいる社会人の方に伺います。今回のストレスチェック導入に何を思いますか。

 

参考記事:

16日付 読売新聞朝刊(大阪13版)3面(総合)「ストレス診断 企業にも負荷」

 

関連記事:

4月27日付 日本経済新聞夕刊 12面 「ストレスチェック生かす」

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