子どもの遊び場を潰す大人達

香川県議会で検討されている「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」。18歳未満の子どもが対象で、スマホやパソコン、ゲーム機の使用を平日は60分(休日は90分)まで。さらに、中学生以下は午後9時まで、それ以外は午後10時までと規定されています。まだ素案ではありますが、SNSを中心に批判の対象になっています。

インターネット等の過度な使用が引き起こす睡眠障害や成績の低下は、国内外で大きな社会問題になっています。昨年5月、世界保健機関(WHO)は「国際疫病分類」に「ゲーム障害」を加えたことがニュースになりました。一方、若者を中心に「eスポーツ」が年々盛り上がっています。そして、今回の香川県の条例は、前者の影響を受けているように感じました。

しかし、なぜ「18歳未満の子ども」が対象なのでしょうか。私は全ての香川県民を対象にした方が良いと思います。

おそらく「18歳未満~」に、「経済的な自立が出来ていない」という意味が隠れています。よって、これまで以上に家庭内の環境(親子の信頼関係)が重視されます。つまり、一番身近な大人である親の姿が良くないと、さらに現状悪化するのではないでしょうか。もし、子どもは我慢しているのに、周りの大人が平気でスマホを触っていたら・・・。不公平さを無くすためにも、年齢制限を取っ払う方が良いと考えます。

また近年では、大人が決めた禁止事項に従った結果、ゲームやインターネットで友達と交流しているように感じます。

私が小学生の頃に遊んでいた公園から、子どもの声がすっかり消えました。不思議に思い入ってみると「ボール遊び禁止」「花火禁止」「サッカー禁止」など、至る所に張り紙が。児童の声が騒音と言われる世の中なので、仕方がありません。いつしか大人の勝手な制限により、ネットやゲームのような「架空の世界」が唯一の遊び場になりました。

「子は親の鏡」なんです。

ゲーム界のレジェンドである高橋名人はこう語ります。ネット・ゲーム依存症を防ぐ為に行動することは素晴らしいです。しかし、今回の事例だと子どもだけでは不公平です。親(大人)は子どもの鏡であり、手本となる存在であるべきです。もう一度考え直してほしいと、心から願っています。

参考記事:

5日付 朝日新聞朝刊13版11面「「ゲーム1時間」条例に?」

参考資料:

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)(https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/etc/web/upfiles/wr2f3g200122132241_f02.pdf