「純ジャパ」があらわす日本の今

 

「見た目は外国人風の人を日本人と捉えますか?」

「在日朝鮮人と日本人の間に生まれた子どもを日本人と捉えますか?」

「純ジャパ以外の日本人を『混ジャパ』と呼ぶことに抵抗はありますか?」

なんて気分を害する質問だろう。本日の朝日新聞朝刊の記事を読み、テンションがドッと下がりました。これらの質問は東京外国語大学国際社会学部のゼミがSNSを通じて実施した「日本人」意識に関するアンケートの一部。主催するイベントを前に不特定多数に聞いたものです。テーマは外国にツールがある人が日本社会で直面する課題、でした。

テーマだけを聞くと、そうした人々にも住みやすい環境づくりを目指しているのかと思いますが、質問内容はむしろ民族主義的です。とても肯定できるようなものではありませんでした。

特にひっかかったのは2番目の質問です。筆者は最近まで韓国に留学しており、在日朝鮮人として韓国の大学に来ている友人も数人いました。彼女たちと話していくなかで、複雑な歴史のなかで日本に定住しなければならなくなったのだと知りました。さきほどの質問内容は在日朝鮮人と日本人の間に生まれた子ということでしたが、在日朝鮮人の方たちのことをどれだけ理解したうえでの設問なのか疑問に思います。

もうひとつ残念だったことは、この一件を報じるマスコミの少なさです。筆者が調べたところ、18日午後3時の時点で朝日新聞の他に東京新聞、産経新聞のみ。いずれも大学がコメントを出したこと、アンケートの内容を伝えるのみ。この記事を執筆するためにしっかりと調べたならば、もっと報じることがあったのではないでしょうか。

例えばこのイベントの告知文。「単⼀⺠族国家という⽇本国家像は神話になりつつあると言えるでしょう。あるいは、そんなもの初めからなかったのかもしれません。今、改めて考えてみたい。『⽇本⼈とはそもそも誰なのだろうか?私たちを⽇本⼈たらしめるものは国籍?⾎統?⽂化?それとも……?? 」(一部抜粋)。こちらは質問内容とは打って変わって単一民族国家に否定的なように思えます。

コメントや質問内容をただ書き留めたような表面的なものではなく、もっと深く掘り下げた記事が書けたのではないかと思えてなりません。

現に朝日新聞が運用しているニュースサイトwithnewsの記事ではゼミ生の中にも外国にツールのある学生がいることについて触れたうえで、「(「純ジャパ」という言葉は)私たちを『排除する言葉』だと思いました。今の日本は『純』の価値が上がっている、まるで白人至上主義のようじゃないですか」というゼミ生の声も取り上げていました。

韓国から帰国して3週間。テレビ番組をみると日本人を称賛するような内容の多さに驚きます。外国人から見て日本人のここがすごい、などなど。なぜこのような番組が増えているのか。なぜグローバル化していく中で政治家の口から「単一民族国家」という言葉が出てくるのか。問い続けなければなりません。

 

参考記事:

2月18日朝日新聞朝刊東京版社会2面「「差別的」批判、学長謝罪 東京外大ゼミ「日本人」問うアンケート」

2月18日東京新聞「東京外大、日本人問う設問で謝罪 「甚だ不適切」」

2月18日産経新聞「日本人問う設問で謝罪 東京外大「甚だ不適切」」

 

参考資料:

withnews

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