突然ですが、皆さんが中学で入っていた部活動に、どれぐらいの費用を出しましたか? それほどかからない文系のクラブもあれば、道具をそろえるだけで数万円かかる運動系もあります。そこで問題になってくるのが、お金が足りず入りたかった部活に入れないことです。
記事によれば、剣道では防具一式が10万円前後、吹奏楽でも10万円近くする楽器を買うなど、それぞれの家庭に出費が重くのしかかっています。この問題に対して名古屋創造大学の大橋基博教授は「全国大会など対外試合が増え、遠征費やユニフォーム代といった個人経費がかさむようになった」「家計が苦しいと参加しにくい現状が見られる」と指摘します。
中学時代に私が入っていたバドミントン部では、ラケットやユニフォーム、専用の靴といった諸経費を自分で負担していました。その上、ラケットのネットがちぎれたりすると、修理だけで数千円もかかります。親に全ての出費を頼っていたので、相当な苦労をさせたと思います。ですが、親に支払ってもらえなかったら、途中で退部していたかもしれません。
「学校ファンド」や「区の補助金」といった形で自治体や地域が部活を支援するケースがあるという文章を目にした瞬間、もっと前からこの制度が導入されていれば親の苦労も軽くできたのにと残念でなりませんでした。私の友人の何人かは、いかんせんお金が足りないために中学3年間は部活に入っていないそうです。
どんな活動にも少なからずお金はかかりますが、かといってお金がないのを理由に入らなかったり、辞めざるを得なかったりするのは非常にもったいない話です。中学時代に一つのことに打ち込むのは貴重な経験ですから。入部を希望する生徒、既に活躍している生徒たちの家計の負担を減らすには、自治体による補助金や支援金の仕組みを全国規模に広めることが重要になってくるのではないかと考えます。
2日付 読売新聞 12版 31面 くらし・教育 「教育ルネサンス 道具や遠征 かさむ費用」