言い過ぎではない、「ポケモノミクス」

 ポケモンを探して歩いていたら、喉が渇いたのでスポーツドリンクを購入。帰りにスーパーで買い物をして、荷物が増えたので電車を使って帰りました。なるほど、歩き回るとお金を使う機会にたくさん出会います。これを世界で3000万人以上が遊んでいるとなれば、「ポケモノミクス」という見出しも控えめに思えてきます。

 今朝の朝刊は、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の話題で持ちきりです。かつて同じゲームの話題が、日経・朝日・読売の三紙の一面を飾ったことがあったでしょうか。中でも、その収益源に注目した記事が興味深いです。

 朝日新聞11面『「ポケモノミクス」波及期待』によれば、このゲームを集客につなげようとする動きがあるようです。スポンサーである日本マクドナルドは、2900ある全店舗を「ポケストップ」や「ジム」に設定しました。店舗に近づくだけで、ゲームを楽しんだりアイテムがもらえたりします。プレイヤーにとってこの拠点は非常に魅力的で、昨日は普段見向きもされない公園の噴水や古い記念碑に大勢集まっていました。高い集客力が期待できます。

 実は、この効果は開発者の思惑通りです。日経新聞に、開発を主導した米ベンチャー企業ナイアンテックのCEO、ジョン・ハンケ氏へのインタビューが掲載されていました。スポンサー企業の店舗をポケストップやジムに設定し集客につなげる、『スポンサード・ロケーション』という仕組みを導入したということ。つまり店側にとっては、スポンサーとしてゲームにお金を出せば、店が拠点になって、プレイヤーを集めることができる。主な収益源をアプリ内課金への依存から脱するという、ゲーム側の狙いもあります。

 さて、地方に住む弟から、哀愁漂うスクリーンショットが送られてきました。ゲームの画面には、遠くにジムがポツリと映るだけで、自分のキャラクターの周りには何もない。思わず笑ってしまいましたが、見方を変えれば、スポンサーの数次第でさらに伸びしろがあるということでもあります。末恐ろしいゲームです。

参考記事:
7月23日付 朝日新聞朝刊14版 11面『「ポケモノミクス」波及期待』
7月23日付 日本経済新聞朝刊13版 12面『「ポケモンGO」 開発者に聞く』

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