日本の教育の今後

  教育の現場ではデジタル化が進んでいます。学生たちがタブレット端末で問題を解き、教員も黒板を使わないでパワーポイントのスライドを使った講義を展開することが多くなってきました。実際に「紙の教科書」をノートパソコンに置き換えることで授業の幅が広がるメリットがある一方で、生徒たちの視力低下や、配備するために莫大なお金がかかることが懸念されています。

  先日、都内の高校に通っている友達と久しぶりに会って話を聞いたところ、彼の高校でも最近iPadが全校生徒に給付され、それを使って勉強することになったといいます。私の大学ではまだそこまで進んでいないので、「羨ましいな」と言ったところ、彼は暗い表情で「便利になったのは良いけど、いまだに操作が難しくてイライラするんだよね。だから授業に付いていけない時もある」と真情を吐露しました。その時私は改めて、デジタル化された授業を歓迎しない人もまだまだいるのだと実感しました。

 デジタル教材によって授業がスムーズに展開されていくのは今後の教育にとって大きな進歩になる反面、先にも述べた視力低下に加え、書く力や読む力、更にはコミュニケーション力が身に付かなくなるのではないかと心配な部分もあります。

  記事では、「政府は2013年につくった成長戦略『日本再興戦略』で、学校のタブレット端末の配備について『19年末までに子ども一に一台』との目標を掲げた」とありますが、戦略を実行するならば、生徒たちの読む・書く力を養う「紙の教科書」を使ったこれまで通りの勉強法と両立させてほしいものです。

 114日付 朝日新聞朝刊 教育12版 29面 「授業のデジタル化 期待と心配」

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