「やっぱり」自動運転は危なそうだけど、「まさか」それは安全でしょう。

自動車と言えば、「危険」や「事故」という言葉が連想されます。事実、交通事故による負傷者は多く、交通事故による死者数は年々減少しているとは言え、昨年度は4千人を超える人が交通事故により亡くなっています。

東京モーターショーが昨日8日まで開催され、中でも注目されていたのが、「自動運転」の技術です。安倍首相が先月の科学技術国際会議で「2020年の東京では、きっと自動運転車が走り回っています」と語り、世界からも注目されています。この「事故死をゼロにするための自動運転」ですが、各紙で批判的な論調で報じられていました。朝日新聞では、「何のため 誰のため つくるのか」という題で、過疎地や高齢者、障害者の移動手段ならよいが、車の中でのスマホ操作や、居眠り運転のニーズには否定的な見方をしています。また、読売新聞では、事故が起きた場合の法制度や、従来の車との共存などについても危惧しています。このように、夢のように思える技術でも、「車」という危険なイメージがあるからこそ、批判的な意見が追随します。

それでは、安全そうなものはどうでしょうか。同じ「自動技術」とも言うのでしょうか。医師不足の地方病院や夜間・休日に対応するための、遠隔診療を支援するための情報通信技術です。日経新聞では、米国の事例を挙げており、通話や動画などで症状を伝え、処方箋を出してもらう仕組みも始まっていると紹介しています。日本でも似たような遠隔診療に取り組む医療機関が増えつつあります。この技術は、もちろん多くの人の役に立つ技術です。「診察」は「安全」という言葉が連想されやすいからでしょうか、あまり否定的な意見は見られません。「自動運転」と同じように「何のため 誰のため つくるのか」、「事故が起きた場合は?」という否定的な問いを投げかけることが必要ではないでしょうか。「やっぱりね」という事前に危惧されていたところよりも、「まさか」という想像もしていなかったところにこそ、事故は起きやすいように思えてならないからです。

 

参考にした記事:

11月8日付 朝日新聞 経済面「何のため 誰のため つくるのか」

11月8日付 読売新聞 経済面「自動運転 夢と現実と」

11月8日付 日経新聞 医療面「専門医、遠隔で診療支援」

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