今回は梅仕事について考えます。小学生の頃、梅のもぎ取りに出かけ、ジュース作りをしていました。昨今、居酒屋に行くと毎回のように注文するほどの梅酒好きであるため、最近では頻繁に自家製に挑戦しています。
春には花、初夏には果実が実るウメの木
2026年6月14日
神奈川県足柄下郡箱根町にて筆者撮影
9日、今年の梅酒を作りました。和歌山県の南高梅を注文しましたが、残念ながら4年連続の不作となっています。冬の高温で開花が早まり不完全な花が多かったことや、昨夏以降に乾燥が続いて花の数が少なかったことが原因で、収穫量が低下したとみられるということです。その影響もあったのか、筆者が注文した梅は、当初の予定から2週間遅れました。
ここからは、梅酒作りについて紹介します。
今回は南高梅2kg、氷砂糖1.5kg、ブランデー2.1Lで漬けた
2026年6月9日筆者撮影
梅酒には、果肉と果汁が詰まった2L〜4Lサイズ(直径約3.7cm〜4.9cm以上)と大きめの梅が最も適しています。サイズが異なっても、種の大きさは変わらないためです。実が大きいほど梅のエキスがしっかりと抽出され、風味豊かなおいしい梅酒に仕上がります。
梅酒の作り方
下準備 瓶は綺麗に洗い、沸騰させたお湯の中に入れ消毒しておく。
①青梅を水できれいに洗い、1〜2時間ほど水に浸けてアク抜きをする。水気を切り、キッチンペーパーで1粒ずつ完全に拭き取る。
②爪楊枝を使い、梅のヘタを取り除く。
③消毒した瓶に、青梅と氷砂糖を交互に入れる。
④静かにブランデー/ホワイトリカー/日本酒/焼酎を注ぎ入れる。
⑤冷暗所で保管。3ヶ月後から飲めるが、半年〜1年ほど寝かせるとよりまろやかになる。
レシピはきっちりと定まっているわけではなく、ポイントさえ押さえれば失敗することはありません。高度な技術も不要です。
氷砂糖や酒が天然の保存料となるため、直射日光の当たらない涼しい場所で熟成させれば腐る心配はありません。添加物を使わずに作れるため、体に優しく、より自然な風味を楽しむことができます。砂糖の量や熟成期間を調整し、自分好みの味に仕上げられるのも自家製の魅力です。自宅には2年寝かせた梅酒や日本酒で漬けた梅酒もあり、どのような味になっているか、毎回ワクワクしながら瓶を開けます。
瓶詰めしたばかりの梅酒
2026年6月9日筆者撮影
梅と氷砂糖を漬けてから1日も経つと、最初は上下が交互になっていた梅と氷砂糖の位置が、自然と入れ替わっていきます。そこから氷砂糖がゆっくりと溶けていき、おいしく飲めるようになるまでには3か月から半年ほどかかります。
しかしなぜ梅酒づくりには、簡単に溶けるグラニュー糖などではなく、溶けにくい氷砂糖を使用するのでしょうか。
梅のエキスをじっくり、そして最大限に引き出すためで、浸透圧が関係しています。濃度の違う2つの液体が隣り合ったときに、濃度を均一にしようとして薄い方から濃い方へ水分が移動する力が浸透圧です。
漬けたばかりで氷砂糖が溶けていない状態では、浸けた液の糖度は梅の糖度より薄いため、浸透圧により水分やアルコール分が梅の中に移動し、実が少し膨らみます。その後、氷砂糖が少しずつ溶け出し、梅の実よりも周りの液の糖度が濃くなると、今度は逆に梅の実からエキスのほか芳香成分と結びついたアルコールや水分がゆっくりと放出されます。こうした2段階の浸透圧の働きで、香り豊かなコクのある美酒へと変化していくのです。
梅の生産が盛んな地域はどこでしょうか。昨年国内で収穫された梅の58%は和歌山県産で、群馬県(7%)、福井県(3%)と続きます。筆者は来月、梅の産地である和歌山県に滞在します。昨今の梅の生育状況や、梅酒作りにどのようなこだわりがあるのか、学んできたいと思います。
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