昨日から大学入試センター試験が行われています。来年度から大学入学共通テストになるため、センター試験は今年が最後です。来年以降、出題内容が大幅に変わることも考えられることから、確実に合格出来そうな大学を受験する人が多いそうです。
大学入学共通テストは、国語、数学の一部で記述式が導入され、英語は民間の資格・検定試験の併用で読む・聞く・話す・書く、の4技能の能力をみる予定でした。ですが、それらは見送られることが決まりました。人生を左右する試験です。その一年前にそんなにごたごたされては学生たちが戸惑ってしまいます。
民間試験の活用、記述式の導入はそもそも無理のある話だったように思います。民間試験はお金を払えば何度も受験できるため、経済格差が学歴に直結しかねません。記述式の採点も完全に公平にするというのは難しいものです。中学受験の問題で記述式はありますが、それは学校ごとに問題を作り、採点をしているからできることです。一度に何十万人も受験するテストでは不可能なのは明らかです。
来年の受験生への逆風は試験制度の変更だけではありません。都市部への学生の集中を避ける国の方針を受けて、首都圏の大規模私大などで合格者数を減らす動きがあります。筆者の大学には、地方出身者の友人も多くいます。1年の時は、とにかく「東京に出たかった」と言っていました。そんな気持ちを持っている高校生がいるのに、入学者を減らすことで地方に押しとどめようとするのはおかしいと思います。一極集中を避けたいのは政府の勝手であって若者には関係ありません。
来年の大学入試まであと一年。大きな変わり目に受験がぶつかってしまうことを運が悪いと思うか、皆対策が十分にできないからこそ逆転できるかもと思うかはその人次第です。少しでも多くの受験生が実力を発揮できるものであって欲しいと思います。
参考記事:
今日付 朝日新聞朝刊 14版 38面 (社会) 「センター試験「浪人できない」 共通テスト控え、安全志向に」