東京五輪最終予選を兼ねたサッカーU―23(23歳以下)アジア選手権で、日本代表はグループステージ最下位という残念な結果に終わった。本来であれば、五輪出場は叶わなかった。しかし、自国開催枠という開催国には勝ち負け関係なく、無条件で出場権を得られるルールが設けられている。もし、これが前回大会のリオ五輪だったら、日本は貴重な機会を失っていた。
「また勝てなかった」「早く解任しろ!」
熱狂的なファンは黙っていない。森保一監督と日本サッカー協会に対する批判は、Twitterのトレンドになるほど加熱している。また、世間の声に反して、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は現監督の続投を発表。火に油を注ぐことになってしまった。
昨年の11月22日に投稿した「未来なきサッカー日本代表」でも指摘した通り、「臨機応変な対応が出来ていないこと」と「理解し難い選手配置」が明るみに出た。いくら試合を重ねても改善が見られない現状に、不満の声が続出するのも当然だろう。実際に全ての試合を観戦したが、選手とスタッフを見ると、完全に自信を失った目をしていた。
このような現状に陥ってしまったのは「日本らしさ」という枠組みを、サッカー界全体で意識しすぎてしまったことが一つの要因だと考える。例えば、「日本人監督か、それとも外国人監督か」という議論。以前から疑問に思っていたが、なぜそのような意見が出るのだろうか。人種なんて関係ないはずだ。
過去を振り返ると、日本代表は外国人監督によって強化される一方、振り回されることもあった。そういった経験から、「ジャパンズウェイ」という方針に舵を切った。意味は「日本人の特長を生かした、日本人としての闘い方を追求していく」ということだ。なので、監督もスタッフも「日本人」で固めた。しかし、日本らしさを追求するために外国人を除外するという考えは、あまりにも短絡的ではないか。つまり、「日本らしさ」という言葉に囚われた事象だ。
世界的に見ればサッカー後進国の日本。まだまだ学ぶべき事は沢山ある。それにも関わらず、自ら狭い枠を作り、その中で取り組むには時期尚早だった。「日本らしさ」を確立するには「広い視野を持ち、常に世界から学ぶ姿勢」が必要だろう。
参考記事:
17日付 朝日新聞朝刊13版24面(大阪)「日本 白星なし最下位」
参考資料:
16日 Yahoo!ニュース 「日本代表の強化指針「ジャパンズウェイ」は誰が発案し、なぜ復活したのか?(https://news.yahoo.co.jp/byline/utsunomiyatetsuichi/20200116-00159133/)