世論調査を見て思うこと

今日の日経新聞の朝刊に郵送世論調査をもとにした記事が掲載されていました。その中で気になった2点について考えたいと思います。

特集面には、暮らしや政治など幅広い分野の民意を調べた調査結果が掲載されていました。その中で目に留まったのは、「日本の組織・団体を信頼できる?」という問いで、マスコミを信頼できないと答えた人が46%と一番多かったことです。「マスコミ」は学生の中では人気の就職先です。「マスコミ就活」という言葉もある程の難関で、そこに入るためにゼミや塾に通う人もいます。筆者もその一人で、2年から元新聞記者の先生のゼミに入っていました。

なぜ信頼されないのか。それは、偏った取材、誤った報道の積み重ねなのかもしれません。たとえそうだとしても、1年間の就活のなかで多くの説明会に足を運んできた筆者は、どの社も正確な情報を少しでも早く届けようとしているのは同じだと感じています。ある社の記者は右、別な社は左の考え方の人が多いなんてことは全くないのです。これから記者になろうという自分から見ると、何とも残念な結果でした。

もう一つ気になったのが、70歳を超えても働くと答えた60代が過半数を超えていることです。健康や生活資金に不安を抱えながらも働ける力のある高齢者が増えていることがわかります。今朝の朝日新聞に掲載されていた「長寿時代のお金意識」をテーマにした郵送方式の世論調査でも、少子高齢化に対応するため、高齢者にも働いてもらう社会にしていくことには74%が「賛成」と答えています。自分自身が65歳以降になってからも「生活のために働かなくてはならない」と考える人は全体の68%に上っているのです。

筆者は就活を終えてから派遣会社に登録し、まとまった時間を見つけてはアルバイトをしています。その中で「60を過ぎるとどこも雇ってもらえないから派遣しかない」「ここで長く続けたい」という高齢の方に何人も出会いました。初めは祖父母と近い年齢の人と働くことに驚きましたが、仕事は選べなくても働きたい人はたくさんいると知ることができました。

世論調査の数字を見つめると、時代を表わしていると感じられました。マスコミの信頼が欠けてきているのも、今やネット、SNSなどさまざまな媒体で情報を得られ、その中に無数のフェイクニュースが混じっているからと捉えることもできます。働けるお年寄りが増えているのも、健康寿命が延びているからです。昔から続いてきたものが少し時代に合わなくなくなってきているからこそ、この調査結果をしっかり見つめて、変えるべきところは変えていく必要があると思います。

参考記事:

今日付 日本経済新聞朝刊 (12版) 6面 特集「郵送調査 2019」
1面 総合 「70歳超えても働く」過半数 60代、「人生100年」を意識

同日付 朝日新聞朝刊 (14版) 1面 総合 「年金、「支え手」に根強い不信 社会保障改革、朝日新聞社世論調査」