最後の一等地の地下に世界初アリ

どこもかしこも高層ビルや商業施設でにぎわうJR大阪駅と私鉄各線の梅田駅周辺。一方、その北西部には広大な土地が広がっています。

この周辺にはもともと梅田貨物駅が存在しましたが、その24ヘクタールという土地は徐々に売却され、2013年にはグランフロント大阪として開業しています。一方、すべての開発が終わったわけではなく、現在も残りの敷地について「うめきた2期」として再開発することが決定しています。この土地は「大阪最後の一等地」と呼ばれており、再開発には地権者であるUR(都市再生機構)の他に阪急電鉄、三菱地所、竹中工務店や積水ハウスなどが参入する予定です。

その土地の端をJRの支線が走っているのですが、開発に合わせて地下化され、新駅が建設されます。この線路には京都と関西空港を結ぶ特急電車が走っているのですが、JR大阪駅のすぐそばを走っていながらこの周辺に停車できる駅がなく、現在は隣の新大阪駅から乗るしかないのです。今回、地下化および新線「なにわ筋線」の建設が進んでいます。

JR西日本は、地下化に伴い新設される「北梅田駅(仮称)」に設ける世界初のホームドアを公開しました。従来のホームドアは原則として電車の異なるドア位置には対応できず、設置するためにはそれを統一する必要がありました。

しかし、「北梅田駅」にはJRの特急や普通電車のみならず私鉄の南海電車が乗り入れることが決まっており、阪急電車も接続する計画があります。そのため、異なる複数のドア位置に対応できるよう天井から吊り下げられたホームドアがふすまのように自由に動くことで対応します。

新駅開業の2023年には筆者は既に26歳の社会人。4.5ヘクタールの都市公園を含む巨大な再開発。その陰に隠れてひっそりと進む鉄道の進化。関西経済の将来に期待がかかります。最後の一等地はどう変化するのでしょうか。期待を胸にワクワクしながら、毎日通る梅田の変化をこれからも見守ります。

参考記事:

21日付 朝日新聞朝刊14版 34面(社会)「万能なホームドア開発中」