「ジコチュー」の仮装をした人々

10月31日。

この日付を見るだけで、ピンと来る人もいるでしょう。そうです、ハロウィンです。毎年、渋谷を中心にお祭り騒ぎです。様々なコスチュームを身にまとい、写真や動画を撮りながら街を歩く姿は、もはや見慣れた光景です。

人が集まる場所には、必ず何かが起きます。ゴミ問題や痴漢、騒音など挙げればキリがないほどです。他人に迷惑をかけるイベントとして、批判の的になるのも仕方がありません。犯罪が起きないよう目を見張る警察、後片付けをするボランティアのおかげで、被害が最小限に抑えられています。

私自身、ハロウィンに関しては「自己責任で勝手にやってくれ」という認識です。しかし、今年は他人事ではありません。東京の隣に位置する千葉県では、台風21号による甚大な被害を受けました。それも気にせず騒いでいるのは、あまりにも不謹慎だと思います。

「自分に被害がなければいい」

参加者は少なくとも、そのように考えてるのでしょう。ただ楽しいから、SNSでアピールしたいから行くのは、自己満足以外に何もありません。そんな自己中心的な行動に失望しています。

オリジナルから逸脱した「日本独自のハロウィン」は、私たちを悪い方向へと導きます。秋の収穫を祝い、先祖の霊を迎えるとともに悪霊を取り払うのが元の目的です。そして、悪霊を怖がらせて追い払うために、魔女やゾンビのような恐ろしい仮装をします。しかし、日本は文化に対するリスペクトもなく、ハロウィンのイメージを低下させました。

また、被害を抑えるため、渋谷区は6月に路上飲酒を禁止する条例を制定。警備などに1億円以上かけるなど、大規模な規定も実施されました。しかし、なぜ参加者の安全が第一に考えられているのでしょうか。言い換えれば、参加者ファーストな施策。厳しくなればなるほど、迷惑だと感じているイベントを保護している結果に陥っています。

もうすぐ開催される東京オリンピック。ハロウィンに似た狂騒は予測できます。安全な街にするためのヒントが隠されているかもしれません。

参考記事:

朝日新聞デジタル版 「ハロウィーン、渋谷駅前は大混雑 暴行容疑で逮捕者も」