9月に突入してもなお暑い日が続くなと思っていたら、ここ数日、肌寒い日がぐんと増えました。今年も残り3か月。ようやくやってきた秋もすぐに去っていくことでしょう。冬に向けてインフルエンザ予防接種の予約も始まります。できるだけお医者さんにお世話にならないよう元気でいなければなりません。
さて本日のあらたにすはそんな 「病院」についての話題です。厚生労働省は26日、医療体制の見直しを図るため1455の公立病院と日本赤十字社などの公的病院の診療実績を公表しました。うち25%を超える全国424の病院は「再編統合について特に議論が必要」。つまり、がんや救急など高度な医療の診療実績が少なかったり、近隣に機能を代替できる民間病院があったりすることから、病床数や診療体制を見直す必要があるというのです。
朝日新聞朝刊でもこの話題が取り上げられ、今回の分析は政府が進める「地域医療構想」の一環だと書いてありました。高齢化や人口減少が進み、2025年に必要な入院ベッド数は今より5万床ほど少ない119万床に。使われない病床の削減や、地域で似通った役割の病院の統合の必要性が議論されてきたといいます。
筆者も公表された病院名が気になり、厚生労働省のホームページへ。「医療機関施設名」からはじまり「合計病床数」「診療実績が特に少ない」「類似かつ近接」と大きな区分けが続き、さらに「高度急性期病床数」「急性期病床数」と具体的な内容が示され、とても分かりやすかったです。
地元の九州地方でも50施設が見直しの対象になっており、中には聞いたことのある病院も該当していました。若いうちは病院に通うことは少なく、新聞を読むときも医療面を飛ばしがちですが、こうして知っている病院名を見つけると自分にも関わりのあることだなと痛感します。
今回の医療体制の見直しについて筆者は、基本的に賛成です。病床の削減や、夜間救急の受け入れ中止、他の病院との連携や集約化といった見直し作業により、医者不足から過酷なものとなっている職場環境を改善できるのであればやるべきだと思います。
ただ心配なのは病院を集約化した後のことです。筆者の地元、対馬も15年に県対馬いづはら病院と県中対馬病院が再編統合し、新たに対馬病院が開院しました。長崎の離島病院で初となる放射線治療装置が設けられるなど良かった一面もありますが、問題もあります。病院が遠くなったことで通院が難しくなった人びとが筆者の周りには多くいます。
各病院は来年9月までに結論を出さなければなりません。その際、遠方に住む人や足が不自由なお年寄りが地域に少なくないことを忘れずに、そうした方への配慮も忘れないでもらいたいものです。
参考記事:
9月27日朝日新聞朝刊14版3面「424病院「再編検討が必要」公立・公的、病床削減促す厚労省」
9月27日日本経済新聞朝刊12番5面「424病院に「再編検討を」公立・公的の25%超 厚労省、非効率解消促す」
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