せっかくのお休みである日曜日、「選挙に行かなくては」とため息交じりで投票所に足を運ぶ方も少なくないのではないでしょうか。統一地方選の選挙戦が始まり、筆者の家にも入場券が届きました。12日は旅行に行くから、期日前投票をしに市役所まで行かないと。そう思っていたら、画期的な取り組みが広がっていることを知りました。
今回の統一地方選のために大学のキャンパス内に期日前投票所を設け、若者にも1票を投じてもらおうというのです。朝日新聞社の調べでは、少なくとも12大学で設置が予定されています。若者の投票率は年代別で最も低く、総務省がホームページも使って投票を呼び掛けているもののなかなか改善されません。2013年夏の参議院選挙では松山大学に期日前投票所が設けられ、松山市内の20代前半の投票率は約3ポイント上昇しました。この取り組みさらに広まれば、投票率にも良い影響をもたらすのではないでしょうか。
今国会では公職選挙法改正案が成立する見通しで、早ければ2016年夏の参院選から選挙権年齢が18歳に引き下げられます。それに伴い10代の有権者が誕生しますが、逆に投票率の低下が懸念されます。投票日は日曜日が基本。友達と遊びに出かけるから棄権だ。そんな声が各地で聞かれそうです。
期日前投票に行こうと思っても、投票所は役所だけという自治体が多く、わざわざ足を運ぶのも面倒です。しかし、大学のキャンパス内に投票所があれば、授業ついでに投票することができます。講義の中で選挙の話が出れば、政治を考えるいい機会になるかもしれません。
このところの選挙では年配層の投票率が高く、高齢者に受けのいい候補者が当選する傾向にあります。これからの日本を担っていかなければならない10代、20代の意見を政治に反映させるためにも、若者の投票率向上に向けたさまざまな取り組みに期待します。
参考記事:4月2日付朝日新聞朝刊(東京13版)36面(社会面)「若き一票 キャンパスで」