自分の些細な疑問を解消したいと思ったことはあるだろうか。課題を見つけ、実験計画を立て、実際に被験者を集めて、そのデータを分析する。研究者さながらの行動をする高校生がいるのはご存知だろうか?
今朝の読売新聞を見ると、
生徒自らが課題を見つけ、解決策を探る「探求学習」が高校などの教育現場で広がっている。とある。
日本では、どのような探求学習が進んでいるのだろうか。科学技術系人材の育成を目的としている「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」という制度がある。理数教育に力を入れる高校を中心に、文部科学省から指定を受け、大学や研究機関と連携をしている。実験設備が充実した環境で、生徒が自分でテーマを設定して研究を進める「課題研究」に取り組むことができる。さらに、成果を報告する発表会などを実施する高校もある。
一方、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を目的とする「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」。こちらは英語を使って国際舞台で活躍できる人材の育成を目指していることが特徴だ。SGHの指定校では、英語教育だけではなく、社会課題に対する関心や教養、コミュニケーション能力、問題解決力など、グローバルに活躍するうえで必要な国際的素養を幅広く身につけるカリキュラムが用意されている。
母校は「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」や「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」の指定校だった。特に、SSHの理系課題研究活動に力を入れた3年間だった。筆者は、コミュニケーションアプリLINE上で「既読無視」された経験から、LINEとストレスの関係性について研究していた。実際に研究計画を書き、被験者を自分で集め実験を進め、論文を執筆できた経験は本当に貴重な3年間だった。
大学生活になった今でも活きてくるものはある。例えば、大学の授業で論文を書くという課題が出たときも、高校時代に体験していたので誰よりもすらすらと書き上げることができた。
日常生活においても役に立っている部分もある。過去の自分の研究で実験がうまくいったときの感動を思い出し、今でも何事にもアンテナを張り主体的に問題を見つけ取り組むマインドを持ち続けられる点である。同級生の中には、大学に入った今でも高校時代の研究を続けている人も少なくない。
些細な疑問から研究活動をしたことによって、進路選択にも影響する可能性があることを肌で感じた。2020年の大学入試改革に向けて日本の教育は分岐点にいる。国際化が進み世界的に活躍できる人材が求められている中、アクティブラーニングが成果を出せば未来は明るくなるだろう。海外に負けず、国内でもこのような取り組みがさらに広がっていってほしい。
【引用】
・2019/08/08 読売新聞朝刊 「広がる探求学習シンガポールから」
・「SSH」「SGH」って何? 高校の特徴的な取り組みに注目!https://benesse.jp/kyouiku/201612/20161207-2.html