朝5時にコーヒーをドリップして、新聞を読みながら飲むのが習慣です。熱々のブラックを口にすると、今日も頑張ろうと思えます。
今朝の日本経済新聞に、コーヒーの生産が減る可能性が報じられていました。世界で需要が伸びている一方、長引く価格低迷で品薄を招きかねないというのです。現状を調べに自宅近く、東京都武蔵野市にあるコーヒー専門店「コーヒーロースト」に出向き、話を聞いてきました。
「需要が増えているのは間違いない。中国では特にそうだ。」店主の丸高実さん(52)は断言していました。世界的にブームであり、消費量が増えていると言います。米農務省によると、2018~19年度は約1億6400万袋(1袋は60キログラム)との予測で、5年前と比べ15%増え、特に中国は420万袋と2倍近くに増えていました。中国では低い価格帯のコーヒーチェーンが若者に人気です。他にもフィリピン、インドネシアなど、経済成長に伴い、アジア勢の伸びが目立ちます。紅茶文化が根強いインドでも6%ほど増加しています。経済が豊かになるにつれ、コーヒーを飲む傾向にあるからです。日本も高度成長期に一般家庭に急速に浸透しました。
現在でも日本では、5年前と比べて7%増加しています。コンビニでは100円で買える一方、専門店では目の前で焙煎した高品質なものが楽しめます。選択肢が大きく広がっています。最近は、健康を維持するための食品と注目され、5月17日の読売新聞では、認知症予防に効果があるとも報じられていました。
産地はエチオピアやタンザニア、ブラジルなど日本にとって地球の裏側の国々ばかりです。生計の柱となってきたことから、コーヒー農家が大きく減ることは考えにくいものの、労働環境が悪いことや異常気象によって生産が減る可能性が高いと丸高さんは言っていました。ますます豆の需要が増えると、価格が上がり、貴重品になってしまいかねません。
日本はほぼ100%輸入に頼っていますが、熱帯や亜熱帯の気候に近い沖縄県では栽培への挑戦が始まっています。大規模な生産は難しくても、新たな産地が開拓されているのは将来への希望です。
丸高さんのお店には約40種類の豆が置いてあります。
▲コーヒー専門店「コーヒーロースト」店内。筆者撮影
開業以来20年以上通う常連さんの好みはすべて頭に入っているそうです。「飲むとホッとしますよね」。丸高さんはコーヒーの良さを語ってくれました。
▲注文を受け、コーヒーをドリップする店主丸高実さん。筆者撮影
豆の注文を受けてから焙煎するのが特徴です。いつも店の前を通ると香ばしい香りがしていました。
今日初めて入ってお話を聞いてみましたが、これからは「いつもので」と言えるくらいまで通いたいと思います。街の片隅から国際商品であるコーヒーの動きに注目していきたいものです。
参考記事
23日付 日本経済新聞朝刊(東京11版)20面(マーケット商品)「コーヒー、需給逆転の足音 長引く安値で生産減懸念」
4月17日付 日経産業新聞 10面 「コーヒー消費量 アジアの伸び目立つ(ニュースなデータ)」
17日付 読売新聞朝刊 7面(国際)「運動と禁煙で認知症予防 WHOが手引」
4月18日付 朝日新聞朝刊 7面(経済)「国産コーヒー、ホットな沖縄 ネスレ日本、大規模栽培を支援」
参考文献
コーヒー海外事情「コーヒー消費から見る、インド人のライフスタイル」
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/abroad/74india2