皆さん、普段何を使って連絡をとりあっていますか。
ほぼすべての人が、無料対話アプリ「LINE」と答えるのではないでしょうか。現在、LINEの国内利用者数は7千万人を超えています。実際に周囲でもインスタグラムやTwitterをしていなくても、LINEを使用していないという人は全くと言って良いほどいません。
そして使用している人のほとんどは、連絡手段の大半をLINEに頼っているのではないでしょうか。メールや電話番号を知らず、LINE上でしか連絡先を知らない人も数多くいるはずです。
私もその一人です。
先日、突然LINEのアップデートが始まり、丸1日アプリを開けなくなったすえにトーク履歴がすべて消えてしまうという「事件」が起こりました。LINEが使えない間、これまでにない不便さを感じるとともに自らのLINEへの依存度に驚きました。
現在、数多くの人が非常に高い依存度でLINEによって連絡を取っています。つまり、LINE以上に確実に大勢の人々に情報を届けるツールは無いということになります。
政府が災害発生時にLINEを使い、避難場所などの情報を提供する仕組みを作ります。被災者が発信するメッセージを人工知能が分析し、必要な物資の確保なども効率化します。そして、ニーズに合った情報を提供します。
これまでも災害時のSNS利用として、Twitterによる情報拡散が注目されてきました。SNS上で物資の情報を共有するだけでなく、救助要請もなされてきました。しかし、Twitterは匿名性が高く、情報の信頼度を見極めるのに困難を伴います。「#(ハッシュタグ)」などの利用やより具体的に情報を提供することで信憑性を確保する取り組みもありましたが、やはりその内容を信じるか否かの判断は受け取る側にゆだねられていました。
災害時には一瞬で状況を判断する必要があります。その中で真実と偽の情報を見極めている時間は「もったいない」ものです。
政府によって信憑性が非常に高い公式情報が提供され、それを数多くの人が目にするようになれば、偽の情報が拡散される危険性も低くなるはずです。
災害時に情報不足が原因で無用な混乱が生まれないようにするために、LINEの使用は画期的な取り組みだと思います。2021年のサービスの開始が楽しみです。
参考記事:
13日付 日本経済新聞朝刊(大阪12版)2面(総合・政治)「災害情報 LINE提供」