「サクラサク」その先へ

©あらたにす、筆者の通う大学前で

東京都心で桜(ソメイヨシノ)の満開が観測されたと、27日、気象庁が発表しました。平年より7日早いとのことで、かなりの早咲きのようです。入学式や入社式まで、散らずに待ってくれるでしょうか。

合格を意味する「サクラサク」は、合格電報の定型句として、長く用いられてきました。現在は大学のホームページで合否を確認できるため、電報こそ使われていませんが、受験シーズンになると今でもどこかで聞くフレーズです。

自身が大学に入学したのが3年前。高校を卒業したあとに1年間浪人しての合格でしたが、第一志望どころか、藁にもすがる思いで最後に受けた学科でした。合格通知を受けたのはその1箇所だけ。入学式の2週間前、かなりの「遅咲き」でした。

入学してから気づいたのは、大学の学部では一つの学問を追求しなくても良い、ということです。自身の専攻を意識しつつも、他分野や関連する領域から横断的に学ぶことは、専攻を極めてからでは難しいもの。学際と呼ばれる、分野横断的な科目は「教養科目」を多く履修することで、より広い分野と接することができました。

新たな一歩を踏み出そうとする人の中には、思い通りに咲けなかったと悔やむ人もいるかも知れません。

人それぞれの咲き方があります。小さく咲こうと、大きく咲こうと、第一志望であろうと、なかろうと、それを成果と受け止めるほかありません。「大切なのはその後だから」。高校の恩師は何度もそう言って背中を押してくれました。

私は今、就活真っ只中に居ます。私に「サク」サクラはあるでしょうか。3年越しの合否への不安と闘いながらも、置かれた状況を楽しみたいと思います。

参考記事
28日付 朝日新聞朝刊(東京14版)1面「天声人語」、14面(社会)「日本一早い満開 満喫」