本日の日本経済新聞朝刊には、日本企業における2020年春入社の採用計画調査の結果が掲載されています。
あらたにすでは、何度も経団連が定める就活ルールについての投稿がありました。そこで本日は、筆者にとってあらたにす最後の投稿で、今の就活ルールに意見を述べたいと思います。
現行の就活ルールでは、この時期はまだ「会社説明会」が解禁されたにすぎず、6月になるまで、「選考面接」は解禁されていないことになっています。それにもかかわらず、就職情報会社ディスコの調査によると、今年2月1日現在ですでに内定率は8.1%。その背景には、何度も指摘されていますが「インターンシップ」という名の選考が大きく影響しています。
学生にとって、インターンシップは就職活動の1つです。もはや学生にとって就活の常識となっていますが、インターンへの参加の有無が選考材料になっていたり、特別選考ルートが用意されていることもあります。そのため、インターン情報が解禁される大学3年の6月以降になると、エントリーシートを書いては企業に足を運び、その後、授業を受けるために大学に戻る、といった生活を、就職先が決まるまで過ごさなければなりません。
その結果として、学生側からすると、早く就職活動を終わりにしたいという気持ちが強くなります。また、筆者自身も就職先が決まった同期に会う度に、焦りを感じていました。こうした状態で、人生の重大な選択をしなければいけないのは、かなりしんどかったのを覚えています。
そして、大学3年以降は、学部のカリキュラム上、基礎を学び終えて「専門科目」を習得する時期です。筆者の通った法学部では、民法や憲法といった科目を取り終えて、ようやく労働法とか家族法といった、高校のときに学びたいと思っていた科目を受講することができました。それにもかかわらず、企業側が「採用選考とは一切関係ない」と説明しているインターンのせいで、授業を欠席しなければいけませんでした。
ここ最近になって、女子大生がOB訪問中にセクハラやレイプの被害にあったというニュースが相次ぎました。いずれも、立場の弱い学生は、藁にも縋る思いで頼ったOB相手に、どうすることもできなかったと思います。
就活ルールが撤廃される今後、もっと学生に優しい採用活動をしてほしいと、心から願っています。
参考記事:
日本経済新聞朝刊(東京14版)16面(特集)「製造業は県 地方でも拡大 来春採用 本社調査」