福島の「今」は変わり続ける

前日に続き、本日のあらたにすも福島県の沿岸部を取り上げます。

本日の日経新聞夕刊には、外国人向けの被災地ツアーが盛んになっているという記事が掲載されています。筆者も、外国人が被災地に関心を持っていることを実感した出来事があります。

大学1年生から足を運んできた福島県浪江町。2年生になってからは、早大生を対象に、自らスタディツアーを計8回ほど開催してきました。その際、必ずと言っていいほど留学生が参加していました。

参加してくれた留学生は「震災をニュースで見て、今どういう状況なのかを知りたい」と、口を揃えて言います。東日本大震災という、未曾有の災害からどうやって復興を進めているのか、海外でも注目を集めている証拠でしょう。

台湾からの留学生は、「浪江町など、震災後の写真を掲載したサイトをみて、ぜひ一度来たいと思った」と話していました。詳しく聞くと、イノシシが道を歩いているようなものや、明かりのついていない信号を写したものが、中国語で書かれたサイトに掲載されていた、とのことです。

インターネットの世界では、インパクトのあるものは、フェイクニュースに限らず、事実の一部分だけが切り取られ、瞬く間に拡散されます。いくら真実をネットに投稿しても、一度広がってしまった認識を変えることは難しいです。

先月、お笑い芸人であるウーマンラッシュアワーの村本さんが「自分の町がなくなることへの話が聞きたい」とTwitterに投稿しましたが、当事者に対しての配慮に欠ける投稿であるとの批判が殺到しました。ですがそれ以上に、「浪江町=村本さんの炎上ツイート」というイメージが固定化されてしまったことの方が、問題なのかもしれません。

時間と同じく、「現状」はいつも変わっていきます。だからこそ、「継続は力なり」という言葉があるように、これからも足を運び、福島、浪江町の今を伝え続けられればと思っています。

最後になりますが、今日が筆者の最後の「あらたにす」の投稿になります。3年間、編集部として101本の投稿文を書かせてもらいました。ここまで続けてこられたのは、学生スタッフ、事務局の皆様、そして読者の方のおかげです。これからも「あらたにす」を温かく見守ってくださると嬉しいです。本当にありがとうございました。

参考記事:

18日付 日本経済新聞夕刊(東京4版)11面(社会)「被災地ツアー 外国人も学ぶ」