古きよきもの。新しいもの。

京都は不思議な街です。

長い歴史を持つ神社仏閣が市内に点在しています。街中を歩いていても道に偉人宅跡の石碑を目にすることが少なくありません。そして、創業数百年を誇る店が数多くあります。

一方で新しい店も次々とできています。最近では世界的に有名なチョコレート専門店が次々と進出し話題になりました。

古き良きものと新しいものが両立する。

そこに京都の魅力はあると思います。

京都企業にもこの特徴が活かされているように思います。

京都企業とは京都に拠点を置いて事業を展開している企業のことを言います。ゲーム機大手の任天堂、電気機器メーカーのオムロンや下着大手のワコールなどがあります。

25日付読売新聞朝刊にはその強さを探る特集が組まれています。

印象的なのは、京都で日本初のベンチャーキャピタル(投資ファンド)が生まれたということです。そして、互いに受注や生産を請け負い活発に技術交流を行っています。また、社長同士が私的会合を開いて情報交換を行ってもいます。この濃密なつながりが、歴史のある企業だけでなく新規参入企業をも支えます。

 「京都は挑戦者を受け入れる寛容の気風がある。」

しかし、このつながりの濃さは近年の開業率の低下につながっているともいうことができます。支えあいの精神の強さが自由なビジネスを求める若い起業家たちにとっては、京都で起業する足かせとなっているのかもしれません。

新しきものは古きもののノウハウを学び、古きものは新しい観点を取り入れていく。相互に良い影響を与えながら成長し,京都ならではの企業が今後も生まれ続けてくれることを期待しています。

参考記事:

25日付 読売新聞朝刊(大阪13版)6面(関西経済)「寛容の気風 ベンチャー育む」