12日、日中両防衛当局は「日中海上連絡メカニズム」について約2年半ぶりに協議を開きました。
こんなにも長い間、協議が棚上げになっていた理由としては、12年9月の日本政府の尖閣国有化に中国が猛反発したことがあげられます。それ以降、13年11月には中国政府が東シナ海上空に一方的に防空識別圏(ADIZ)を設定するなど、両国の関係は冷え込んでいました。
このような状況の中で、日中間が協議を再開させたこと、また定期会合の開催や防衛当局間のホットライン設置などの合意に向けて、互いに意見を交わしたことは大きな進展だと思われます。
昨年6月の防衛大臣会見では、日本政府は「不測の事態の回避」という安全上の理由から協議に前向きな様子が伺えますが、それに対し、昨年のADMMプラスのときには、常万全国防相から「まだ話し合いをする、そういう環境ではない」という話があったと伝えられています。このようなやりとりからも、今回は中国側がやっと日中の協議に重い腰をあげた様子が伺えます。
この協議により、日中関係は良好になっていくのでしょうか。ただ「不測の事態」を回避させるだけのものでしょうか。また、この協議によってさらに安倍政権の外交ポイントは上がるのでしょうか。
【参考記事】
1月13日付 朝日新聞朝刊(13版)3面「不測の衝突回避 日中が協議再開」
同日付け 日本経済新聞朝刊(13版)2面「日中、海上連絡を協議」
防衛省・自衛隊 報道資料