夏休み最終日を憂鬱な気持ちで過ごしているあなた。そう少なくないはずです。子どもの自殺が急増する8月下旬から夏休み明けにかけて、苦しむ子どもたちへ支援の手や対策の声を多く耳にします。
私にも、人間関係に悩み学校に行きたくないと思った経験は何度もあります。胸がズンと重く、お腹がキリキリと痛んで、学校までの道のりが長く果てしなく感じられる。たとえ大きな悩みがなくても、長期休み明けの初日は緊張感に押しつぶされそうでした。
朝日新聞紙面やウェブサイト「withnews」で連載されている企画「#withyou 〜きみとともに〜」。生きづらさを抱える10代に向けて、いじめや劣等感などに悩む様々な声を発信しています。
「新学期を前にして、命を投げ出してしまう子どもがいませんように」
いじめで小学3年生の夏から不登校になった娘と父からのメッセージです。
娘が登校しなくていいように、仕事を辞めた父親は自宅で全教科の勉強を教えました。運動が得意ではない娘のために、能登半島を1周する自転車旅行も計画し、7泊8日かけて360キロを走り抜きました。それから毎夏、全国を回り続けるほど、大きな自信につながったようです。
小学校卒業後、娘は中学に入学して登校できるようになり、高校3年間は1度も休むことなく学校に通いました。大学2年生の現在は、手話活動やアルバイトで忙しい日々を送っています。
「悩んでいるキミの居場所は、必ず別のところにある」
「学校を捨て去ったり、学校にはじかれたりした人にも、支えてくれる人やつながれる人、認めてくれる人が必ずいるよ」
無理をせず、立ち止まっても休んでもいいのです。集団から外れることで、見えてくるものもあります。時間とともに何かが変わるかもしれません。
同じ苦しみを抱えた人の存在に勇気づけられることもあります。誰にも相談できずに生きているのが辛いと感じたら、SNSや「#withyou」で検索してみてください。共感する意見や希望の糸口が見つかるかもしれません。きっと、同じ生きづらさを抱える仲間に出会えるはずです。
大丈夫、ひとりじゃないよ。
参考記事
2日付 朝日新聞朝刊(東京14版)27面(社会)「不登校 走り抜けた父娘」