また墜ちて またすぐ飛ぶを また容認
以前紙面で紹介された、オスプレイにまつわる朝日川柳です。名護市沖での大破事故や奄美空港への緊急着陸など、これまで数多くのトラブルを起こしてきましたが、原因究明を待たずして飛行が続けられてきました。
政府は22日、在日米軍が10月1日に横田基地に輸送機CVオスプレイ5機を正式配備すると発表しました。沖縄県以外では初の配備で、2024年ごろまでに10機態勢にする計画です。配備後は東日本を中心に各地での訓練も予想されます。
今日の朝日新聞朝刊では、
オスプレイ なし崩し配備
詳細説明なく横田基地へ
との見出しで、地元の不安や懸念の声を伝えています。
一方読売新聞の紙面では、
安全対策の徹底要請
という縦見出しが目に留まりました。正式配備に向けて、安全性への配慮を求める地元自治体の要請や米軍が発表した環境レビューを中心に紙面が割かれています。
オスプレイ配備の背景には、軍事力を高める中国の存在があります。政府は、「日本周辺での有事の際に対処力向上につながる」と意義を強調しています。しかし、防衛省の「いつどこでどういう訓練をするかは米軍の運用のためわからない」という回答には誰もが納得できないでしょう。
沖縄の痛みを私たちも味わうことになる。ともに闘っていく。
記事に掲載されていた「横田基地の撤去を求める西多摩の会」の言葉からは、日本全体でこの問題に取り組むべきだという強い思いが伝わってきました。
現在は佐賀空港への配備計画を巡る協議も進んでいますが、テレビをはじめとしたマスメディアの、オスプレイに関する報道量は少ないと感じています。いつまでも米国任せでよいのでしょうか。もちろん、日米同盟や在日米軍の抑止力によって、日本はこれまで軍事危機にさらされることなく安全保障を手にしてきました。しかし、求められる負担はこれからも増え続けていくでしょう。
日米地位協定の改定も視野に入れて、もう一度米国との関係を立ち止まって見つめなおすべき時ではないでしょうか。
参考記事 23日付 朝日新聞朝刊 14版 1面「オスプレイ 10月横田配備」
31面「オスプレイ なし崩し配備」
朝日新聞デジタル 「米空軍オスプレイ5機、横田基地に10月1日配備へ」
読売新聞朝刊 13版 2面「オスプレイ 10月横田配備」