効果があった障害者政策

12日付の日本経済新聞の「働く障害者、活躍広がる」という記事の最後、次のようにまとめていました。

社会保障の受け手から納税者へと変わる素地はできつつある(日本経済新聞)

約10年で障害者の新規雇用が2倍になったことを伝え、実際の現場でどのように働いているかについて報じています。マニュアルや働き方への配慮をすることによって「健常者並みの仕事をこなす」ようになったと述べられています。

確かに、障害者の方々が働くことによって、結果的に社会保障費を抑えることができ、さらに税金を払うようになります。ただ、この「障害者も就職できるようになった」事実に対しての評価としてはもっと重要なことがあります。

それは、「障害をもっている」ことを理由に働くことができなかった人たちに対して、企業側が一定の配慮をすれば、労働力になるという気付きが広がっていることです。そしてそれは、これまでの国の政策に、一定の効果が出ていると考えるべきです。

日本は、平成19年に署名した「障碍者権利条約」に基づき、国内法の整備を行ってきました。平成25年には「障害者雇用促進法」を改正し、雇用分野において事業主に対して障害者への差別禁止及び合理的配慮の提供を義務づける規定を新設するなどの施策が行われています。条約や法律が目指した社会になってきているのではないでしょうか。

そして、「障碍者基本法」の第一条には次のように記されています。

全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

真の目的である、すべての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するためには、今何が自立及び社会参加をする上でのハードルとなっているか、普段から考える必要があります。

参考記事:

12日付 日本経済新聞朝刊(東京11版)6面(総合)「働く障害者、活躍広がる」