2014年も今日を含めて残り5日、いわゆる忘年会シーズンですね。その年の嫌だったことや辛かったこと等、様々な苦労をねぎらい、良い意味で忘れることで、新鮮な気持ちで新年を迎えるために日本人にとってなくてはならない行事ですね。過去のことを忘れていくことはそこまで不思議なことではないでしょうし、その中には辛いことも含まれているでしょう。嫌なことを忘れることで前に進めるという方もいらっしゃるとは思いますが、全ての出来事を忘却の彼方に追いやってしまっていいのでしょうか、振り返る必要はないのでしょうか。今日は皆さんと「忘れる」ことについて考えたいと思います。
26日、この日は2004年に発生したスマトラ沖地震・インド洋津波から10年という節目の日でした。皆さんはこの事実を知るまで、この出来事を覚えていましたか。片時も忘れなかったとは言いませんが、毎年この日にこの出来事を思い出す方は決して多くはないではないでしょうか。そして今日27日で、長野県の御嶽山の噴火から3か月が経過しました。こちらも片時も忘れなかった方は多くはないのではないかと感じています。正直なことを言いますと、筆者も今朝の朝刊を読んで思い出しました。日々、新しい出来事が飛び交う中で、特に新しい発表がない限りは、どうしても忘れていってしまいますよね。東日本大震災も原発関連のニュースなど、目に触れる機会がないと忘れていってしまいます。もちろん、辛いことや悲しいことを長いこと忘れずにいることは苦しいでしょうから、常に記憶しておく必要はないでしょう。しかし、節目の日ですらその記憶を思い出せないということは野の出来事から得られる教訓も忘れてしまうということではないでしょうか。
スマトラ沖地震は生まれて初めて知った津波被害、御嶽山は初めて知った噴火被害でした。東日本大震災からも当たり前に使っている電気の背景にあるリスクを考えたきっかけでした。普段何気なく暮らしている中にもこのような自然災害のリスクの存在を常にとは言わないまでも、節目の時に思い出すことができれば、その出来事から学んだ教訓も各々の中で生き続けるのではないでしょうか。自然災害に限りません。終戦記念日や広島・長崎に原爆が投下された日など、振り返るべき日は多く存在しています。筆者自身、今年を振り返ると、忘れてしまっていた出来事が多くありました。振り返った上で忘れる、年末の年忘れはそのような形でもよいのではないでしょうか。皆さんのご意見お聞かせください。
参考記事:本日付讀賣新聞(東京14版)1,7,34面・同日付朝日新聞(同版)1面・同日付日本経済新聞(同版)39面