ぶらり鉄道の旅 福島へ

先週末に福島を旅してきました。移動手段は鉄道です。祖父母が住む二本松市には家族で何度も行っていますが、まだ知らない土地が多く、在来線で移動するのも初めてでした。大きな駅ではICカードのPASMOを使いましたが、きっぷを使う旅は久しぶりだったので、その模様を少しだけご紹介します。

今回降りたのは南相馬市の小高(おだか)駅と、田村市にある要田(かなめた)駅です。小高区は一部の帰還困難区域を除き、2016年7月に避難指示が解除された地域です。作家の柳美里さんが店主を務める本屋「フルハウス」が話題のほか、コワーキングスペースができて新たな仕事も生まれようとしています。小高駅には自動改札はなく、やさしそうな駅員さんが切符を切ってくれました。

駅前には電車を待つ間ひと休みできるスタンドがあり、たまたま居合わせたみなさんと話が弾みました。周辺をぶらぶらするか、本を読んで時間をつぶすしかないと思っていたので、これは嬉しかったです。なにせ電車待ちの時間が2時間近くもあったので……。田舎あるあるですね。


▲小高駅

JR磐越東線の停車駅である要田駅は、山里にある小さな駅です。駅から徒歩40分ほどの場所にある施設「コミュタン福島」を目指し、のどかな風景を眺めながら黙々と歩きました。(あとで知ったのですが、三春駅から無料のバスが出ていました)ここでは、福島の環境や放射線の状況についてデータを用いながらわかりやすく展示していて、係員がこちらの質問に丁寧に答えてくれます。


▲要田駅のホーム

要田駅は無人駅なのですが、ICカードをタッチできる簡易改札端末が置いてありました。無人駅では回収箱に使用済みのきっぷを入れるイメージがあったのですが、いつのまにかこのようなものができていたんですね。ちなみに地元の秋田は、玄関口の秋田駅も、実家から近い横手駅もカードが使えません。

今日の新聞に掲載されていた69歳の男性の投書によると、JR東日本の交通系ICカード「Suica(スイカ)」が登場したのは今から17年前、2001(平成13)年なのだそうです。上京してからずいぶんと助けられています。

でも、今回のようにきっぷを大切に握りしめて行く旅もいいものです。そして、1時間に1本の電車を待つ時間も、都会ではなかなか味わえないもの。東京にいると、いかに電車の都合に合わせて生きているのか。身に沁みて感じられました。

参考記事:3日付 読売新聞朝刊(東京13版)8面(投書)「(私の平成13年)Suica登場 使えぬ駅も」