皆さんは「臨時情報」というものをご存知でしょうか?
臨時情報とは南海トラフ地震に関し、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて高まった際に出されるものです。南海トラフ地震が想定される震源域の一部でM8クラスの地震が起きた場合や巨大地震が起きるプレートの境界でゆっくりとした滑り現象が観測され、巨大地震が発生する可能性がある場合などに発表されます。
南海トラフ地震では地震発生後数分で津波が到達するという予測がされている地域があります。そのような地域の高齢者の避難等に役立たせることができます。
地震の完全な予知はまだできなくても人々に危険が迫っていることを事前に伝えることができる。今まで「不意打ち」であった自然災害にある程度の準備をもって対処することができる。素晴らしい技術の進歩だと思います。
しかし、課題も残っています。臨時情報に関する明確なガイドラインがないため、自治体や学校が明確に対応を決めることができていません。。
臨時情報が発表されても実際にいつ地震が起こるかは分かりません。発表後に何年も地震が起こらない可能性もあります。
あいまいでは命を守れない
有事の時は混乱をするため、平常時に対応を決めておかなければ実際に動くことはできません。
今のままのあいまいな取り決めでは、臨時情報が形骸化してしまうように思います。
まずは、臨時情報が百発百中のものではないことを知る。そして、それを踏まえたうえで発表された際は災害が起きた場合の個々人の動きを再確認するなど、自分の中の警戒心をあげておく。
一人ひとりが備えをすることが、被害を最小限に抑える最も有用な方策かもしれません。
参考記事:
28日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)1面「市町村9割 避難検討」
28面「南海トラフ「臨時情報」とは」
31面(社会)「臨時情報 どう動けば」