地方議員の年金加入

先日、日本年金機構から一通の通知が届きました。国民年金への加入手続きの書類です。月およそ16500円。半年、1年、2年の前払い制度があり、前払いすると幾分安くなります。晴れ着姿の撮影や成人式では大人の仲間入りをした実感は今一つでしたが、自分宛の年金について書かれた一通の書類を手にした時、20歳になったことを実感しました。良い機会なので、手続きを兼ねて市役所に行ってみました。そこで簡単そうで実は複雑であることを初めて知りました。今まで関心がなかった分、年金という仕組みに関心を持つ良いきっかけになりました。

自民党の総務部会で、地方議員に厚生年金への加入を認める議員立法に、小泉進次郎氏ら若手議員が反対したという記事が掲載されていました。私のような学生が加入するのは国民年金で、全国民が加入する基礎年金という位置付けです。これに加えて、公務員や会社員が加入する厚生年金があります。公務員では退職等年金給付、大企業には独自の企業年金が上乗せされ、その分だけ老後の保障も手厚くなります。この他にも自主的に加入できるiDeCoという確定拠出年金や厚生年金に加入できない自営業者などが加入する国民年金基金などがあります。本当に複雑ですね。

さて地方議員が厚生年金に加入する話ですが、元々手厚かった議員年金を廃止した経緯を忘れてはならないと思います。多くの地方議員が本業を別に持っているにも関わらず手厚い年金があることが批判された結果です。こんどの議員立法はそうした制度の復活を意味するものではないでしょうか。年金制度の存続が危ぶまれているときに、何故、議員だけを福利厚生で非常に恵まれた年金制度の対象に加えようというのでしょうか。

果たして、今の年金制度のまま議員までその仕組みに入れるということに国民は納得するのでしょうか。まずは非常に恵まれているといわれる公務員の年金水準を、一般の国民と揃えるべきでしょう。

今日で熊本地震からちょうど2年。今なお仮設住宅で不便な暮らしを強いられている人たちがいます。東北でも復興はまだまだです。震災の後遺症に苦しむ人たちが地方に数多くいる時に、議員の成り手を増やすために必要なのが年金というのはなんとも寂しい限りです。