日本はどうする?鼻血作戦

―読売新聞によると、朝鮮半島の南北友和ムードがでている今、アメリカ側の限定攻撃の可能性が高まっていると日本国際問題研究所の主任研究員、小谷哲男氏は指摘しています。駐韓米国大使に有力視されていたビクター・チャ氏が『鼻血作戦』を批判したことで起用が見送られたことから、限定攻撃への現実味が高まっているのではないかと分析します。では、この作戦に反対したチャ氏はどういった人物なのでしょうか。

ちなみに『鼻血(ブラッディ・ノーズ)作戦』ですが、北朝鮮の核・ミサイル関連施設などを限定的に先制攻撃する作戦を指します。

チャ氏は、戦略国際問題研究所の上級顧問を務め、アジア外交を専門の一つとするジョージタウン大学の教授です。彼はワシントン・ポスト紙の記事で、自己の立場を明確にしています。以下はその記事の概要です。

『鼻血作戦』のような限定攻撃は、相手に対し合理的な判断能力を求めることを前提としています。相手がこちらのシグナルを極端に解釈した場合、たとえ米軍側に能力があったとしても状況をコントロールできない可能性が高く、全面戦争を避けられないかもしれません。そうなると30万人以上いる在韓、在日米国人を避難させる必要がありますが、現実的には不可能です。

彼は、代替案として4点を重視せよと述べています。
1.国連と連携した強固な制裁を持続させること
2.米国が日本、韓国との同盟関係を密にし、軍事的な能力をシェアすること
3.周辺諸国と連携して、北朝鮮との不正な取引を防ぐこと
4.軍事オプションへの用意を怠らないこと

つまり、チャ氏は融和による対話攻勢が解決策を導くと述べているわけでなく、軍事オプションをテーブルに置きつつ制裁を強化すべきと考えているのです。冒頭で挙げた小谷氏も「米国が限定攻撃を行う可能性がゼロではなくなった今、在韓邦人保護や難民対応、日米防衛協力の指針に沿った対米支援などの課題を国家で建設的な議論をしていくべきだ」との見解を示しています。

「現実的にできるのか、やるのか」という議論は別として、「有事に備える」、能力(capability)を持つというのは合理的な考え方でしょう。

参考記事:
17日付 読売新聞朝刊(12版)13面(解説)「対北限定攻撃 ゼロではない」
1月30日付 The Washington Post “Victor Cha: Giving North Korea a ‘bloody nose’ carries a huge risk to Americans”