大学通学には駅から離れたキャンパスまでバスを利用しています。雨の日には普段自転車で通学している人などが押し寄せるため、長蛇の列ができ、なかなか乗り込むことができません。授業に遅刻しないために泣く泣く高い運賃を払ってタクシーを利用したこともあります。学生にとっては決して気軽に払える料金ではないことが高いハードルとなっていましたが、昨日新たなサービスの試みが発表されました。
都内のタクシー大手と国土交通省が共同で、スマートフォンのアプリを活用した「相乗りタクシー」の実証実験を始めます。相乗りにより、運賃を2〜4割ほど安く抑え、利用者を増やすことが目的です。
22日から東京23区を中心に実施されますが、大和自動車交通グループと日本交通グループの2種類のタイプではそれぞれ仕組みが異なります。前者のアプリでは、利用者が乗り場・出発時刻・行き先を設定し、相乗りを希望する人も同じ場所から乗り込みます。それぞれの目的地に着く度に1人ずつ降りていく仕組みで、最大3人まで乗車可能です。
一方、後者のアプリでは、出発地と目的地を指定すると、同じ方向に向かう人をアプリが仲介します。双方が相乗りに同意すれば、それぞれの場所に迎えが来て、それぞれ異なる場所で下車することができます。
走行距離に応じて乗客ごとに異なる運賃が算出され、支払いはアプリ上で完結します。来年度には、決まった区間やエリア内で乗り放題になる「定額タクシー」の実験も行われる予定です。利用者の減少とドライバーの確保が課題となっている中、料金の引き下げと合わせて、一度に何人も運べるシステムの導入には期待がもてるのではないでしょうか。
私の周囲には、乗り場に並んでいる人に声をかけたりTwitterで相乗り仲間を集めたりしてできるだけ運賃を下げようとしている人もいますが、同じ大学の学生同士、同じ行き先だからこそ躊躇なくできること。新サービスが本格的に導入されれば、どこでも誰とでも気軽に安くタクシーが利用できます。疲れた日や雨の日は引く手あまたになりそうですね。
参考:
19日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)2面(総合)「相乗りタクシー実験」
同日付 読売新聞朝刊(東京13版)11面(経済)「タクシー「相乗り」実験」