「昨日のテレビ観た?」、「最近、どんな番組にはまっているの?」。そんな会話が、大学はもとより高校生に勉強を教えるボランティア先でもあまり聞かなくなりました。むしろ「ユーチューバーでは誰が好き?」が話題になります。好きな時間に楽しむことができる動画が若者にとって当たり前になっているのだと思います。
有料の動画配信サービスを巡っては、ネットフリックスやアマゾン・ドット・コムなど海外勢を中心に競争が激しくなっています。そこに新たな動画配信サービスが名乗りをあげました。来年4月スタートの「Paravi(パラビ)」。TBSホールディングス、日本経済新聞社、テレビ東京ホールディングス、WOWOWなどが出資するプレミアム・プラットフォーム・ジャパンが25日に発表しました。各社がドラマや経済系ニュース、音楽ライブなどのコンテンツを持ち寄り配信します。
視聴率回復や経営のためにもインターネットの活用や動画配信に活路を見出すのは一つの方法かもしれません。でも地上波に向き合うことも忘れないでほしいです。
フジテレビの人気番組の「めちゃ×2イケてるッ!」や「とんねるずのみなさんのおかげでした 」が来年3月に終了すると発表されました。この決断はとても現実的だと思います。だって、最近は同じ時間帯に放送されるほかの番組の方が面白かったから。ただそれだけです。内容を変えたという意味では今年の「FNS27時間テレビ」は、楽しめました。今までのお笑い路線をやめ歴史をテーマに制作したのです。見応えのある内容にすれば、テレビの力は復活すると思います。
「見たい」と思わせる番組作りをしたくても、テレビには放送コードがあり、自由に表現できない。ネットは有料だから過激な表現も許される。そういった理由でネット配信に意欲的な人に対して配信サービスNetflixのCM「人間、明石家さんま。『NETFLIX』の話」に出演した明石家さんまさんは、次のように語りかけます。「俺ら(地上波)はルールがあるから面白い。枠のなかでやっていきたい」。どんどん挑戦していってほしいです。テレビは家庭のエンターテイナーです。地上波の未来はない。そんなことを言わせない勢いがあってもいいのではないでしょうか。
参考記事
27日付 朝日新聞(東京14版)5面(経済)「キー局、相乗りで動画配信」
26日付 日本経済新聞(東京14版)14面(企業)「動画配信「パラビ」開始 月額925円、18年4月から 日経・テレ東・TBSなど6社出資」